教育費「みなさんどれくらい貯金していますか?」…保護者に聞いたリアル金額 子どもが小さい時こそ「貯め時」
子どもの教育費のために、みなさんどれくらい貯金していますか? 目標金額をどれくらいに設定しているのかも気になりますよね。保護者のみなさんにリアルな金額を聞いてみました。
■みんな「いくら・どれくらい」貯金してるの?
▽Nさん、長男9歳・長女6歳
兄妹ふたりですが、それぞれに学資保険18歳満期で100万。他にお祝い金や子ども手当、ボーナスから少しずつでも各自名義の通帳で貯蓄していています。兄のほうが40万くらい、下の娘はちょっと少なくて15万くらいです。長男が小学校高学年になり塾通いが始まり想像以上にお金がかかり、予定通りのペースで貯まりません…。
▽Kさん、長女5歳
ひとりっ子です。学資保険は200万のに加入。他に子ども用としての貯金はしてません。初孫ということもあってか、双方の両親もそれぞれ子どもに学資保険をかけてくれているし、来年住宅購入予定でそちらのことで頭がいっぱい。まだ教育費もそこまで真剣に考えていないのが正直なところ。
▽Iさん、長男8歳
学資を18歳満期で200万。私立高校受験を考えているので、15歳時に100万以上貯まるように小学校入学から1万円ずつ積立をしています。うちは夫が9歳年上で、大学時に退職と重なってしまうんです。退職金は住宅ローン残額への支払いや老後資金用と考え、早くから夫婦で教育費については話合ってきました。それで収入が比較的ある今現在、ボーナスから年2回20万、40万を別通帳で貯金するようにしています。これで高校入学時に360万、積立の方をプラスして460万。私立付属校に入れたら、たぶんちょうどなくなってしまうでしょう。なので高校時代の3年間であと200万は貯めたいと計画中です。
■幼稚園~大学までにかかる学費の合計は?
子どもが小さい家庭では、なかなか将来の「高校・大学にかかる費用」がピンとこないもの。とりあえず「学資保険に入っておいた」というくらいの人が一番多いかもしれません。
ただ、学資保険の学資金や満期金は200万円から300万円程度に設定することが一般的といわれています。もともと高額になりがちな子どもの大学入学時の費用に備えることを目的にしているケースが多く、学費全体をカバーしているわけではないことに注意が必要です。
文部科学省は「子供の学習費調査」として、幼稚園3歳から高校3年まで15年間の学習費の総額を発表しています。2018(平成30)年度の超察結果によると、幼稚園・小学校・中学校・高校とすべて公立で通ったケースで約541万円、すべて私立で通ったケースでは約1830万円となっています。
また、大学の学費についても、文部科学省がこのほど発表した「国公私立大学の授業料等の推移/2021(令和3)年度」によると、入学金と4年間の授業料を計算した学費は国立大で約243万円、私立大で約397万円となっています。これらを機械的に足すだけでも、大学までにかかる学費は784万円から2227万円となります。選択する学校や、大学で学ぶ内容によっても金額はもっと大きくなることが考えられます。理系の学部では大学院に進学するケースもあるので、その費用も見込んでおく必要があります。いずれにせよ気が遠くなるような数字です。
多くの家庭では、子どもが大学生になると家計はマイナス…「赤字」に陥ります。特に自宅外から通う大学生は仕送りが必要になることが多いですから、平均が8万~10万程度が学費に加えて大きくのしかかってきます。大きなお金がかかる時期までに計画的にためていくことが大切です。
「財形貯蓄や銀行の自動積立などを活用する」「児童手当は教育資金のためにとっておく」「大学進学資金に備えて、高校までの学費は貯金を取り崩すことなく家計の範囲でやりくりできるようにする」など、保護者の間でも貯め方にはいろいろな考え方があるようです。
■家計費の支出はどんどんふくらむから…子どもが小さい時が貯め時!
そもそも、子どもがいると、教育費以外にもまとまったお金が必要となります。
少し大きくなれば携帯代、部活動費用、交通費もバカになりません。そもそも食費がかさみます。男の子ふたりなら、思春期に入ったらお米だけでも週に10キロ消費しますからね。気づくと「生活費全般」がうなぎ登りで、貯蓄をするのにひと苦労です。
ちなみに女の子のママたちが口を揃えて言うのは「美容院、メイク用品、好みの洋服、アレコレうるさくなってホントお金がかかる」だそうで…。成人式では特に女の子だとけっこうなお金がかかります。
うちの場合は息子ですが、18歳で「運転免許を取りたい」と言われて、当時まだバイトをさせていなかったし「しょうがないなぁ」とお金を出したのですが、これが30万くらいかかりました。やれやれ…。
子どもが大きくなればなるほど、子どもにまつわる出費がかさみ、貯蓄どころではなくなってきます。
逆に言えば、お子さんが小さい時こそ「貯め時」なんですね。ところが私も長男の時そうだったように、「子どもの将来」が具体的に見えてきません。だからあまり切羽詰まった感じがしない。ついつい目先のことにお金をかけてしまいます。
特に共働きだと当面の家計費に多少なりとも余裕がありますから「まぁ大丈夫だろう」と油断しがち。双方の両親頼みという家もあるでしょうが、今はよくてもやがて親の介護という面が出てくると、当初思っていた通りにはいかなくなります。
高等教育の無償化もスタートしましたが、減免される家庭はごく一部。多くの家庭で教育費が大きな負担であることには変わりません。まずは自力で子どもにかかる最低限の教育費を貯めておくとあわてずにすみます。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)