注射の際の常套句「はい、ちくっとしますねー」の真の意味は 看護師のホンネが話題
注射を打つ際の常套句「ちくっとしますねー」に込めた看護師の本音がSNS上で大きな注目を集めている。
「看護師の『はい、ちくっとしますねー』には『絶対に動くんじゃねーぞ、うつぞ』くらいの強いニュアンスがある事をご理解頂きたい。」と語るのは地方都市在住で育児奮闘中の男性看護師、イクメン撲滅隊さん(@ikumen_byebye)。
さりげないあの一言にそんな執念が込められていたとは…イクメン撲滅隊さんの投稿に対し、注射を刺す側、刺される側のSNSユーザー達から
「そうだったんだ……言われると逆に怖くなるからなんも言わずにグサってしてほしい人……」
「泣いても良いから動かないで!刺す瞬間、私はいつも息止めてます。なぜか...なので、一発で仕留められないと、息が苦しいです(笑)」
「今まで何度か血液検査や点滴で似たようなこと言われますが血管が見つからず何度か看護師さん交代したり何度も刺されたりして逆に申し訳なくなった(^ω^;)針さす前もなかなか浮きでないのか時間ロスになってしまってる(^ω^;)やる度にいつも見つからないんです。すみません。しか言えん(^ω^;)」
「小さい子の近くを通るときの親の『あぶないよ!』は『うちの子がいるからお前も気を付けろよ』くらいの強いニュアンスがある」
など数々のコメントが寄せられている。
■投稿した男性看護師に聞いた
イクメン撲滅隊さんにお話をうかがってみた。
ーー「ちくっとしますねー」は注射時の常套句ですが、看護師として研修など受ける際にはこういった声かけについても学ばれるのでしょうか?
イクメン撲滅隊:刺す前には、必ず声かけをする様に指導されます。中には「刺します」といった事実を伝える方もおられますが、注射前後のコミュニケーションは様々です。私が指導する時は雑談しながらリラックスしつつ、採血ができるように指導します。看護師、患者お互い緊張するといい結果にはなりませんので。
ーー注射時に動いてしまう方はけっこう多いのでしょうか?
イクメン撲滅隊:刺した瞬間に思いっきり手が動く方は男性に特に多いです。実際の場面では「手をぎゅっと握ってくださいね」と声をかけるんですが、その時の力の入れ方でわかる場合と、「よく失敗される」とおっしゃる方は事前に強めに腕を押さえてから刺します。「ちくっとしますねー」と声をかけたタイミングで力を入れたり、血管の角度が変わる方もいるので、それを見てから刺すようにしています。
ーー注射時の接し方として心がけておられることがあればお聞かせください。
イクメン撲滅隊:あくまでもツイートではTwitter用に面白おかしく書いていますが、実際は一回で絶対刺せるように血管を探す時間を一番大事にしています。また先述しましたが雑談でリラックスした上でできるように話しかけています。資格がなければ人を傷つける傷害罪だと常に心にはその事を意識しています。その結果の「動くんじゃねーぞ。」なんですが(笑)。
ーーこれまでの反響についてご感想をお聞かせください。
イクメン撲滅隊:正直ここまでバズるとは思っていませんでしたが、やっぱり看護師の視点、指される側の視点それぞれあるなというのが正直な感想です。医療者側がよかれと思うことと患者側のこうして欲しいと思うことが一致しなかったり。医療者側の「そこまで求められても…」ということももちろんあります。リプを見ていてもコミュニケーションは大事だよな、と改めて思いますし、このツイートを通じても看護師と刺される側の人がWIN-WINになればよいかと思います。
◇ ◇
コロナのワクチン接種もあり注射をする機会が多い昨今。次に注射に望まれる方はぜひイクメン撲滅隊さんの言葉を思い出してほしい。
なお今回の話題を提供してくれたイクメン撲滅隊さんは、「誰もが育児を楽しめる世の中になるように」という思いでSNSで日々情報発信中。「イクメン」という言葉が無くなり、本当の意味での男女平等の社会が実現することを目指し、また公的給付の所得制限撤廃、年少扶養手当復活に向け意見を投稿している。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)