保護猫の譲渡会「ねこecoマルシェ」って? 人にも猫にも地球にも優しい、主催者の思い
人と動物が共生できる優しい社会の実現を目的とした「ねこecoマルシェ」が9月11日、西宮北口で開催される。今年5月から毎月第2日曜日に開催。主催するのは兵庫県宝塚市を拠点に猫の保護活動をしているNPO 法人「動物愛護・福祉協会60家(ろわや)」と、インフルエンサーとしても啓発活動をしている会員制猫カフェ「猫スペースきぶん屋」の2団体。一体、どんな取り組みなのか。
この譲渡会では、ここまで毎回30匹前後の保護猫が参加。優しい家族との出会いを待っている。NPO 法人「動物愛護・福祉協会60家(ろわや)」の木村遼代表は「保護猫たちには保護されるまでにそれぞれ物語があり、悲しくつらい思いを抱えた子もいる」と話し「それでも健気に人に心を許し、生涯家族として一緒にずっと暮らせるお家を待ち望んでいる」と続けた。
60家は1匹の猫を助けたことから活動を開始。宝塚市を拠点にし、一軒家を借りて保護シェルターを設け、猫の保護活動、TNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術し、Return/元の場所に戻す)に尽力。地域猫活動、啓発活動も行ってきた。献身的な行動は広く知られ、これまで多くの小さな命をつないできた。
この5月からは「ねこecoマルシェ」を新たに開催。もちろん、譲渡会をメインにしているが、名前通りにecoなマルシェも手がける。これは60家の代表がヴィーガンであることが大きい。
健康や地球環境にも優しいことから多くの賛同者が集まったそうで会員制猫カフェ「猫スペースきぶん屋」もそのひとつ。マルシェでは動物性不使用のカレーや、プラントベースベーカリー「ルルスブラン」(神戸市)が手がける数種類のパン、フルーツをふんだんに使用したかき氷などヴィーガンフードの販売をしている。
その他にも、猫好きにはたまらない可愛い猫グッズ、本場岐阜県産の美濃焼陶器などを出店。啓発パネル展、ペット似顔絵コーナーなどイベントとしても楽しめる内容になっており、木村代表は「保護猫の存在を周知し、興味を持ってもらえるよう楽しいイベントになれば」といろいろ試行錯誤しているという。
マルシェを開催した目的は譲渡会を訪れるハードルを少しでも下げ、動物たちの置かれている現状を広く理解してもらうこと。さらに、菜食は健康や環境に優しいこと、美味しいヴィーガンフードの存在など、何か気づきを得てもらえると幸いだ、と木村さんは願っている。
私も初めて知ったが、週に1度だけ動物性食品を食べない「ミートフリーマンデー」というビートルズのポール・マッカートニーが提唱している運動が世界各地で展開されているという。一見、動物の保護活動や、菜食主義は難しそうだと敬遠されがちだが、気軽に、自然に自分のできる範囲で参加することが大切なんだと思えてくる。
木村さんは「とにかくまずは楽しんでもらいたい。地域に根づいたイベントになり、保護猫を迎える選択がもっと当たり前になれば、たくさんの猫と家族の縁結びができるようになると思っています」と話す。地道な活動だが、徐々に参加者も増えていると言う。
▼ねこecoマルシェin西宮北口
毎月第2日曜日12時~16時。西宮市南昭和町9-14。入場無料。
※マルシェの売上は保護猫活動費に寄付されます。
(まいどなニュース特約・山本 智行)