気まぐれ屋さんの猫を可愛く撮りたい カメラマンに極意を聞いた 「光とアングルと猫の気持ち」
可愛い猫の写真を撮りたいけど、なかなか思い通りにいかない。一生懸命撮影していたら、猫が嫌がって逃げてしまったなんて経験をお持ちの方も少なくないでしょう。猫の写真を上手に撮影するにはどうしたらいいのでしょうか。仕事で写真撮影する傍ら、猫の保護活動をしながら写真を撮影しているというYoshinori Nakamuraさんに、きれいに撮るコツを教えてもらいました。
■光を駆使する
ーースマホで撮る人が多いので、撮影のコツを教えていただけますか。
「光をうまく使えるかどうかが鍵になります。まずは、ポートレートモードで撮影するといいでしょう。マニュアルモードで撮影する場合は、これは一眼レフでも同じですが、ハイキー(露出オーバー)にして、逆光や斜光で撮影するのがおすすめです。順光だと立体感がなくなってしまうからです」
ーー光が大事ということは時間帯にもよるのでしょうか。
「時間帯は日中がおすすめです。自然光だとキレイに撮れます」
ーーボケ味も駆使してみたいですね。
「初心者の方は、絞り(F値)を最大にして背景をぼかして撮りたくなりますが、慣れないうちは若干絞る程度(1~2段程度)について、猫の顔全体がくっきりと写るように撮影します。慣れてきたら、だんだん絞りを開いていき、手前側の瞳にピントが合うように撮影します」
ーーアングルも大事なのでしょうか。
「猫と同じ目線か、それより下から撮影しましょう。また、真正面から撮りたくなりますが、横顔や上を向いている顔、斜め後ろから振り返った時の顔を撮るなど、さまざまなアングルから撮影していろんな表情を捉えます」
■猫の嫌がることをしない
ーーつい、「今、(私が)撮影したい」という気持ちになることもありますよね。
「そうですね、でも、猫が眠いなと思っている時や不機嫌な時はやめておきましょう。『今は無理だ』と判断したら潔く諦めて、次の機会を待ちます。猫の気持ちが乗っていない時に無理にポーズを取らせてはいけません。人間を撮影する時と同じで、お互いの気持ちを尊重して撮ってあげましょう」
ーー猫に嫌がられない撮影のコツはありますか。
「猫は大きい動物が苦手なので、なるべく姿勢を低くして圧迫感を感じさせないようにします。上から覆い被さるように撮るのはNGです。可愛い顔をアップで撮りたくなる気持ちを抑えて、一歩引いて撮るといいと思います」
ーー怖がることをしないのも大事ですよね。
「猫は怖がりで臆病です。大きな声を出したりストロボやフラッシュを使ったりしないようにしましょう。また、猫の周りをドタバタと走り回るのもやめてください。そういう行為が嫌な記憶として残り、カメラやスマホを構えると本能的に身構えるようになるからです」
いかがでしたか。猫を撮影するコツ。Nakamuraさんによると、撮影後に明るさを変えたりトリミングしたりして補正する(現像)ことも欠かせないそうです。その場合、できるだけ画素数の大きな機種で撮影すると画質が荒くならず、キレイな写真になります。スマホで撮影する方は、アプリも駆使してみてください。
▼Yoshinori Nakamuraさんプロフィール
幼少の頃より猫や犬と過ごし、現在は2年前に保護猫として迎えた「つぶさん」と共に暮らす。
独学で撮影を学び、式典等の行事や人物撮影の傍ら、地域猫ボランティアの手伝いや里親探しを行い、掲載用に子猫たちの写真等を撮り現在に至る。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)