「ワンオペだったらと思うとゾッとします」 保護猫を3匹同時にお迎え、1日は朝5時からスタート
■何度も出産した野良猫の子猫たち
てんくん(オス)、そらくん(オス)、あめちゃん(メス)は3兄妹。まだ0歳だ。みんな漢字で書くと、「天」という名前をつけてもらった。
神奈川県茅ヶ崎市の海側には野良猫が出入りする場所があった。てんくんたちの母猫はそこで暮らしていて、保護団体がなんとかTNRしようと思って捕獲器を仕掛けていたが、なかなか捕まえることができなかった。1年経つ間に少なくとも2回は出産したという。
2022年3月、また出産したという情報をキャッチしたが、子猫たちがどこにいるのか分からない。とにかく母猫が子猫を連れてきたら子猫の保護をすることにした。5月になって、子猫を連れてきたという連絡があったので、朝5時から6時までの間に3匹の子猫を保護したそうだ。既に生後2ヶ月になっていて、人馴れさせるには時間がかかりそうだった。
■3匹の子猫のお世話は大変!
神奈川県に住む清水さんは、2022年4月、戸建ての家を建てて引っ越した。奥さんが幼い頃から猫を飼っていたこともあり、いつか猫を飼いたいと思っていたのだが、新居を構えたのを機に本格的に保護猫を探し始めたそうだ。2022年5月21日、地元の保護団体が主催する譲渡会に参加。てんくんたちに出会ったという。
「最初は2匹飼おうと思っていたのですが、1匹だけ引き離すのもかわいそうで、3匹譲渡してもらうことにしました」
実家でも2匹までしか世話をしたことがなかったので、3匹飼うのは大変だった。
「ごはんはすぐに無くなるし、誰か1匹がお腹を空かせて鳴き出すと、3匹一緒に大合唱。2匹が寝付くと他の1匹が起こす。その繰り返しで永遠に起きていました。想定を超えていました。自営業なので在宅で仕事をしていてカバーできましたが、ワンオペだったらと思うとゾッとします(笑)」
■子猫は可愛いけど、成長した姿を見るのも楽しみ
3兄妹は仲良しだが、性格は三者三様。てんくんは最初から警戒心ゼロで、好奇心が旺盛だった。ただ、すぐに疲れてしまうので、全てを座ったままこなそうとするものぐさな一面もある。そらくんは警戒心が強く、何事にも慎重。後ろに控えているタイプだ。ごはんへの執着心は鬼のようで、ごはんの時だけ狂ったように走り出すという。あめちゃんはチャーミングだが、食べ物をくわえると、「誰にも渡さないわ!」と言わんばかりに「グルルルル」と唸って威嚇する。
清水さん夫妻は、そらちゃんが早朝に起きて唸り出すので、朝5時から1日が始まるようになった。
「最初は寝不足気味で大変でしたが、寝る時間を早めることで健康的な生活が送れるようになりました」
一緒に暮らし出してまだ2ヶ月だが、みんな大切な家族として過ごしているという。
「やっぱり子猫は可愛いけれど、これから大きくなる彼らの姿も楽しみでなりません。健康に長生きしてほしいと願っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)