写真も見ずに「猫はどの子でもかわいい」と受け入れた保護猫 すっかり家族の一員に「自分で赤い糸をみつけてやってきた」と実感

■2匹目は雌猫がいい

ぽんずちゃん(2歳)は、関東地方の神社に捨てられていたのだが、2020年10月にボランティアに保護され、その後、保護団体が預かった。

埼玉県に住むNさんは、ちょうどその頃、2匹目の猫を探していた。Nさんはちくわちゃんという猫を保護して飼っていたが、ちくわちゃんは生後2ヶ月で親兄弟から離れてしまったため噛み癖がひどかった。また、誰かがそばにいないと、鳴きながら家の中を徘徊した。そのためNさんは、2匹目の猫を迎えることにしたという。

「当時ちくわは生後3ヶ月くらいだったのですが、同い年くらいの子がいいと思いました。将来、縄張り意識が芽生えるのではないかということも考え、ちくわが男の子なので、女の子を迎え流ことにしたのです」

■写真も見ずに即決!

Nさんは、里親募集のポスターをたまたま見て電話したが、既に里親が決まっていた。譲渡サイトで探すことも考えたが、近所の小さいショッピングモールで譲渡会が開催されることを知り、初めて譲渡会に行ってみたという。しかし、その日は男の子しかいなかった。諦めかけたが、譲渡会に出ていない子がいると聞き、ウイルスチェックをしてもらうことになった。ところが、その子は動物病院で男の子だということが判明した。

すると、同じ保護主から「新たに女の子を保護しました」という連絡があった。ウイルスチェックの結果は陰性だったが、とりもちみたいなネバネバしたものが身体に付いているということだった。

「写真も見ずに引き取ると言いました。見た目はどんな子でもよかったんです。だって、どんな子でも我が子は可愛いですから」

■猫は自分で里親を選ぶ

保護されてから2日後、ぽんずちゃんはNさん宅にやってきた。Nさんはサラダオイルで身体についたベタベタしたものを取り除いた。きれいにすると皮膚に炎症があることが分かり、すぐに動物病院に連れて行ったという。炎症は1週間も経たないうちに治った。

ぽんずちゃんは保護主のところでは大人しくしていたそうだが、Nさんのところでは、初日から「遊んで」とよく鳴いて、活発に振る舞った。そのことを聞いた保護主は驚き、「猫は自分で里親さんを選んでいると思う。自分で赤い糸を見つけてくると感じることがある」と言った。

「保護主さんにそう言われて本当に嬉しくて、大切にしないとと、さらに身の引き締まる思いがしました」

ちくわちゃんとぽんずちゃんは数日間ケージ越しに対面したが、すぐに仲良くなった。

「ちくわは1ヶ月年下の妹を本当に可愛がってくれました。ぽんずは何でもちくわの真似をするのが本当に可愛いんです」

ぽんずちゃんを迎えた後、Nさんはさらに2匹の猫を迎えたが、ぽんずちゃんは面倒をよく見てくれる。ただ、実は4匹の中でも一番甘えん坊なんだという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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