かすかに聞こえたか細い鳴き声 ノミだらけの子猫を保護した時、日付は回っていた 「見つけられなかったらおそらく…」
■車を走らせていたら子猫の声が
ちくわちゃん(2歳・オス)は、2020年9月、ニャアニャア鳴いて助けを求めていた。まだ生後2カ月くらいの子猫だった。
2020年9月、埼玉県に住むNさんは、買い物帰りに車を走らせていた時、ちくわちゃんの声を聞いた。
「たまたま窓を開けていたから聞こえたんです。一旦荷物を置きに家に戻り、すぐに探しに行ったのですが姿は見当たりませんでした」
母猫が戻ってくるかもしれないと思いつつ、Nさんは1、2時間おきに探しに行った。3回目に行った時、ようやくちくわちゃんが見つかり保護することができたという。日付を回っていた。
■そばにきょうだい猫が?
ちくわちゃんを保護した時、Nさんはもう1匹の子猫の鳴き声を聞いた。民家の敷地の中から聞こえたが、もう真夜中だったのでインタフォンを鳴らすわけにもいかず、勝手に入るわけにもいかないので翌朝まで待ったという。しかし、子猫の声はしなくなっていた。
「もしかしたらきょうだい猫かもしれないと思い、半年くらい毎日探しましたが結局見つからず、心残りというか後悔というか…。幸せに暮らしていて欲しいと願っています」
■発育不良のため捨てられた?
ちくわちゃんはノミだらけだった。Nさん夫妻は猫を飼いたいと思っていたが、まさかこんな急展開になるとは思わず、何も準備をしていなかった。夫にドンキホーテに行ってもらってグッズを揃え、汚れやノミを落とすためにシャンプーをした。翌日、動物病院に連れていくと、体重は600gしかなかった。
「獣医さんから『ノミの量から考えて野良猫だと思う、発育が悪いから母猫に置いていかれた可能性が高い』と言われました。あの時、そのまま放置していたら生きていけなかったそうです」
Nさんは、茶白猫だったので「ちくわちゃん」と名付けた。ちくわちゃんを迎えた後、Nさんは3匹の保護猫を迎えた。ちくわちゃんは長男の自覚はあるけれど、眠たくなると末っ子のようにぐずってしまう。隠れ鍵尻尾で、ハートマークの模様が二つあるところが可愛いのだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)