「ペットショップで子猫が物のように売られているのが違和感」と譲渡会に参加 か細い声で鳴く子を家族に

■物のように売られている子猫たち

べんちゃん(1歳・女の子)は、野良猫だったのだが、保護団体に保護され、後にライフポートという団体が里親を募集した。

千葉県に住む金子さんは、猫を飼おうと思って、色々ペットショップを見て回った。しかし、高額な値段がついていて、まるで物のように売られているのを見て、違和感を感じたという。

「そんな時、ネットでライフポートさんが里親を募集されているのを見て、気になる子がいたので譲渡会に行ってみたんです。2021年12月末のことでした。でも、その子は里親さんが決まっていました」

■尻尾を膨らませて警戒

金子さんは残念に思ったが、他の子を見せてもらった。その時、か細く掠れた声で鳴いて金子さんを見ている子猫がいた。その子がべんちゃんだった。金子さんは、そんなべんちゃんが気になり、翌日も見せてもらう約束をして帰路についた。翌日、べんちゃんに再会。気がついたら譲渡の手続きをしていたそうだ。

12月21日、金子さんはべんちゃんを迎えた。名前は「べんちぷれす」にした。べんちゃんは最初、尻尾を膨らませて猛ダッシュで走り回って警戒した。

「どうしたら信用してもらえるのか、安心できるところだと分かってもらえるのか、どう伝えたらいいのか悩みました」

■命の重さは同じ

金子さんの心配をよそにべんちゃんはすぐに馴染んでくれて、今では金子さんのストーカーをする毎日だ。性格は温厚で人懐っこい。ペット用のおもちゃよりも綿棒で遊ぶことが好きなのだという。

金子さんにとってべんちゃんは、いないことなど考えられない、かけがえのない家族。大切に育てている。

「ペットショップで売られている子猫は血統書付きの、いたいけな子猫が多く、どの子も魅力的。可愛いとは思います。でも、保健所にいる猫や野良猫も命の重さは同じです。猫を家族に迎えることを考えた時、保護猫も選択肢の一つに入れて欲しいなと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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