「ボクの名前をつけてね」大阪・柏原で生まれた道産子の浪速男子 「和種馬ホースランド」が名前募集

 希少な和種馬の活躍と存続を願う乗馬施設「和種馬ホースランド」(横山雅始代表)は9月4日から大阪・柏原で生まれた道産子の名前の募集を始めた。25日までツイッターとインスタグラムで受け付ける。8月1日に生まれた子馬は鹿毛のちょっぴりやんちゃな浪速男子。いまのところ「どさ太郎」と呼ばれているが「格好いい名前をつけてね」と、愛きょうを振りまいている。

 8月1日に誕生した北海道和種馬(通称・道産子)の子馬は鹿毛の男の子。しっぽがまだもじゃもじゃしており、瞳もつぶら。顔立ちもまだ幼いが、ピョンピョンと元気いっぱいに駆け回っている姿がツイッターなどにアップされ、人気を呼んでいる。代表の横山さんが笑顔で近況を報告する。

 「最近は子馬を目当てに、遊びに来てくれる方が増えました。時々、レタスやニンジン、バナナの差し入れも届きます」

 もっとも生まれるまでは結構大変だったようだ。お母さんになった「のぞみ」ちゃんは、生まれも育ちも北海道帯広市の4歳馬。今年に入って故郷を離れ、5月にはるばる柏原市の「大阪ホースランド準備室」にやって来た。そのころから、お腹がどんどん膨らみ「妊娠説」がささやかれ始めることに。最終的に複数の獣医が診断し「妊娠の可能性大」と認定された。予期せぬ”おめでた”に関係者が大慌てになったのは言うまでもない。

 何しろ、のぞみちゃんにとっても牧場にとっても不慣れな初産。ただし、種付けの時期が分からない。早ければ、5月末か6月にも誕生することが考えられたため、牧場側はその日に備えて、そわそわしながら身構えていた。しかし、生まれたのは夏真っ盛りの8月1日午前6時ごろ。しかも一時は命の危険さえあったと横山さんは言う。

 「いまか、いまかと待ち望んでいたら、思ったより長くなって。その上、生まれてしばらくは乳も飲まなくて、ぐったりしていて、死ぬんじゃないかと焦りました。無理やり乳を飲ませ、大切な命をなんとかしようと点滴の用意をお願いして獣医さんを呼びました。最悪入院せなアカンかと思ったんですが、何とか元気になって良かったです。ほれっ、いまはご覧の通りです」

 浪速生まれの道産子はいまのところ「どさ太郎」と呼ばれ、お母さんの後を追いかけ、おっぱいを飲んだり、一緒に草を食んだり。そうかと思ったら急にかけっこしたり、ジャンプしたりして、疲れるとお昼寝タイム。そんな自由奔放で愛くるしい姿はたちまち評判となっており、横山さんも「どさ太郎は好奇心が旺盛で素直。日に日に成長して、何かとしっかりしてきました」と目を細めている。

 そこで牧場側では名前をツイッター(@washuba_horse)とインスタグラム(ID:japanese_horseland)で公募することに。スタッフが頭をひねり、複数の名前を提案。以下の通り、選択するような形で募集することになった。

・太夫黒(たゆうぐろ)

・望月(もちづき)

・青海波(せいがいは)

・葉月(はづき)

・どさ太郎

・八月一日(ほづみ)

・その他

 横山さんは「選択する形にした方が投票しやすいと考えたのですが、どうでしょうか。関西生まれという珍しい道産子の子馬。もちろん、自由に”これだ”という名前をつけてもらうのは大歓迎です」と話す。

 現在、この牧場には以前から飼われている5歳牝の芦毛「ラッシュちゃん」と「つばきくん」がいる。つばきくんは3歳の男の子でいわば、のぞみちゃんの弟分。北海道から一緒に大阪にやって来たが、こちらは、最近いたずらがすぎ、お灸をすえられた形でパッツン前髪にさせられているそうだ。

 「子馬が生まれ、一気に賑やかになりました。うれしい悲鳴を上げています」と横山さん。果たして、浪速男子の子馬の名前はどさ太郎のままなのか、それとも。それを決めるのはあなたの清き1票!

 和種馬ホースランドは10月15日に大阪府柏原市円明町642ー1でオープンを予定しており、子馬のお披露目会と名前を発表する。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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