「ゴスペラーズみたいなペンギン」の存在感にSNSが騒然、園の獣医に聞いた「4羽並んでいるのは珍しい」
「これ見せたっけ… 豊橋ののんほいパークにいたゴスペラーズみたいなペンギン そんなにニンゲンを見る?」
そう投稿したのは、漫画家の藪犬小夏さん(@yabuinukonatsu)。藪犬さんがアップした写真には、横一列に並んでガラス越しに食い入るようにこちらを見つめてくる4羽のペンギンが写っています。
その圧倒的な存在感とたたずまいは、さながらステージに立つ歌手のよう。藪犬さんが「ゴスペラーズみたいなペンギン」と投稿したところ4万いいねがつき、ゴスペラーズのメンバーである黒沢薫さんも引用リツイートで反応するほどでした。
ペンギンたちがいるのは愛知・豊橋市にある「のんほいパーク」。動物園・植物園・遊園地・自然史博物館が併設された総合公園で、ペンギンたちは極地動物館の極地ペンギン展示室で飼育されています。当時の状況を藪犬さんに、ペンギンたちについてのんほいパークの担当者に話を聞きました。
■投稿者「みんなざわついていました」
ーー写真はいつ頃のものですか?
「今年の6月2日になります」
ーー到着したら既にこの状況に?
「そうです。屋内展示の通路が、シロクマなどと並んでおり、ぐるりと半円のような形になっていました。そこを歩いていくとペンギンの前だけ妙に人がたくさんいて、皆『どういうこと…』とざわついていたので何事かと思って見るとこうなっていました」
ーー見たときの感想は?
「『ナニコレ!?』でした 笑」
■のんほいパークの獣医さんに聞いた
どうしてこうなったんでしょうか。担当の獣医さんにお話を聞きました。
ーー一列に並ぶと迫力がありますね。なぜこのような状況に?
「おそらくお客さんが持っている何かかお客さんの動きなどに反応してガラス前に近寄ってきたところ、たまたま一列に並んだように見えたのだと思います」
ーーいつもというわけではないんですね。
「普段からお客さんに興味を示し、近寄ったり、じっと見ていたりする個体はいます。ガラス前に2羽ほど並ぶことはよくありますが、4羽並んでいるのは珍しいですね。また、ガラス前に来る個体は大体決まっています」
ーーガラス並んでいるペンギンの種類は?
「ジェンツーペンギンといいます。ジェンツーペンギンは特に好奇心旺盛で、普段から飼育員の後を追いかけたり、掃除の際にゴムホースで遊びたがったり。人を良く見分けることが出来るほど観察力もあります。そのためか、お客さん側のガラス前に近づく個体が多いですね」
ーーそういった性格も関係しているのかもしれませんね。話題になったことについてお気持ちを聞かせてください。
「ペンギンの可愛さや魅力を1人でも多くの方に知っていただけると嬉しいです。これからも是非、ペンギンの魅力的な写真を沢山撮りに来ていただきたいです。
ペンギンはどれも同じように見えますが、区別する手がかりとして翼(フリッパー)に翼帯(よくたい)という名札のような目印を着けています。是非、お気に入りのペンギンを見付けていただけると、また楽しみが増えると思います」
◇ ◇
現在のんほいパークで飼育されているペンギンの羽数は、「極地動物館の極地ペンギン展示室には3種類のペンギンが同居しています。ジェンツーペンギンが44羽、キングペンギン(オウサマペンギン)9羽、イワトビペンギン12羽です。また、極地動物館の外に隣接して温帯ペンギンのフンボルトペンギンの展示場があり27羽飼育しています」。
運が良ければ、横一列に並んだ「ゴスペラーズみたいなペンギン」が見られるかもしれません。
(まいどなニュース・門倉 早希)