エリザベス女王が乗った車両に、日本で乗れる!? 半世紀前に特別運行…今はリニューアルされ、新型観光列車に

9月8日、イギリスのエリザベス女王が亡くなりました。在位70年ということもあり、SNSでもエリザベス女王の死を悼む言葉が見られます。ところで関西私鉄でエリザベス女王と浅からぬ関係にある会社があります。それはいったいどこでしょうか。

■近鉄を利用したエリザベス女王

先ほどの問いの答えは近鉄です。エリザベス女王は1975年に夫のフィリップ殿下と共に来日を果たしました。その際に近鉄に乗車しているのです。

乗車区間は京都から五十鈴川、鳥羽から近鉄名古屋でした。エリザベス女王は初日に伊勢神宮内宮、ミキモト真珠島を訪れ、鳥羽国際ホテルに宿泊。翌日は名古屋で東海道新幹線に乗り継ぎ、東京に向かいました。

使用車両は当時の近鉄特急の主力車両であった12200系「新スナックカー」6両編成でした。

近鉄はエリザベス女王の乗車に合わせて、特別車両を仕立てました。車内は1+1列の向かい合わせのシート等を用意。エリザベス女王乗車後は一般座席に戻りました。

イギリス王室の近鉄への乗車はエリザベス女王が初ではありません。1922年、エドワード皇太子(後のエドワード8世)が奈良(現近鉄奈良)から上本町(現大阪上本町)まで乗車しています。正確には当時はまだ近鉄ではなく、前身である大軌(大阪電気軌道)でした。

大軌は車内を豪華に改装した61形2両編成を用意。実は大軌にとって、これが初の連結運転でした。このように英国王室と近鉄の間には並々ならぬ関係があることがわかります。

■エリザベス女王利用の車両に乗れる

さて近鉄特急の礎を築いた12200系は昨年11月のラストランツアーを最後に現役を引退しました。しかし、エリザベス女王が乗車した車両に乗車できるのです!

それが今年4月にデビューした観光特急「あをによし」です。「あをによし」は12200系からの改造車ですが、内外装ともにリニューアルを実施。2名用のツインシートや3~4名用のサロンシートをはじめ、軽食などを提供する販売カウンターを設置するなど、観光特急にふさわしい内装になっています。運行区間は大阪難波~近鉄奈良~京都です。

エリザベス女王は12200系12356号車に乗車しましたが、この車両は「あをによし」1号車(19301号車)にあたります。1号車は近鉄奈良方の先頭車・ツイン席に位置します。

「あをによし」は京都発の便もあるので、東海道新幹線経由で首都圏からの利用も可能です。この機会にエリザベス女王に乗車した車両で旅してみませんか。

(まいどなニュース特約・新田 浩之)

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