ジモティで見つけた猫の飼い主募集 「引っ越すから」はウソ 「雑に飼われていた」その子は助けを求めていた
■ジモティを見てビビビ!
まるちゃん(4歳・オス)は、マンチカンとアメリカンショートヘアのミックス猫。2019年8月2日、地域情報掲示板のジモティで里親を募集していた。
東京都に住む西村さんは、昔、実家で猫を飼っていたこともあり、猫が大好きだった。実家を離れてからずっと猫を飼いたいと思っていた。保護猫を迎えたいと思っていたので、譲渡サイトやSNSで探していたら、ジモティにまるちゃんが掲載されていた。
「まるを見た時、ビビビっときました。すぐに連絡をして、里親になりたいと伝えました」
■引っ越すから飼えないはずが・・・
元の飼い主は、引っ越すのでまるちゃんを飼えなくなったとジモティに掲載していた。しかし、実際にまるちゃんを引き取りに行くと、その家は多頭飼育崩壊していた。
「『他にも欲しい子がいたらぜひ連れて帰ってください』と言われてゾッとしました。その家にはお子さんもいたので、『こんなに猫ちゃんがいるのに、みんないなくなったら寂しくなるね』と声をかけると、まるに対して、『懐かないから別にいらない』と衝撃的な返事が返ってきました」
元飼い主の話は、「まるちゃんは小心者で、いつもキャットタワーの隅っこにいる」と言っていたが、西村さんが部屋に入ると、すぐにキャットタワーから降りて近づいてきたという。
「元の飼い主さんも『知らない人が来ると絶対に降りてこないのに』と驚いていました。今思うと、救いを求めていたのかもしれません」
■「雑に飼われていたんだね」
家に着くまで怖がらないように撫でていたら、なぜか西村さんの手がザラザラになった。フケなのか何なのか分からないが、たくさんの粉が出てきたそうだ。家に着くと、すぐにお風呂に入れた。まるちゃんは耳と目の間の被毛が薄く禿げていた。また、便が軟便だったので、元飼い主に問い合わせると、「その子はずっと軟便ですよ」と平然と言われたという。
翌日、動物病院に連れて行くと、皮膚病、結膜炎、外耳炎、軟便と血便、歯周病にかかっていて、血液はドロドロ、獣医師は、「雑に飼われていたんだね」と言った。西村さんは、「これは譲渡ではない、保護だ」と思った。
■可愛すぎて外出したくない
元飼い主の子供に、「懐かないからいらない」と言われたまるちゃんだが、甘えん坊でデレデレのかまってちゃん。西村さんが仕事に行く時は、寂しそうに見つめてくる。
「私にとって本当の家族です。私が辛い時や悲しい時、まるは必ず横に来て寄り添い、手を握ってくれます。この子が心の支えになってくれて、私は毎日幸せだなと思います」
まるちゃんは家に来た時から大人しくて、飼いやすかった。唯一の悩みは、可愛らしすぎて、「どうしよう、家から出たくないな~」と思ってしまうことなのだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)