愛猫を失い「二度と悲しい思いをしたくない」→猫カフェで出会ったお嬢様気質の元保護猫に一目惚れ
■19年間一緒に暮らした猫を失って
あずきちゃん(5歳・メス)はきょうだい4匹のうちの1匹で、2017年6月15日に通りかかった人に発見された。警察に届けられ、保健所に行く寸前に「こねこカフェSanctuary」が引き取って、保護された。4匹がすべてグレーのしましま猫だったという。
岐阜県に住むKさんの両親は猫を飼っていたが、2016年1月14日、19年も一緒に暮らしてきた織部くんが旅立った。両親の落ち込みはひどく、Kさんは当時両親とは別居していたが、一緒に暮らすことにした。
「しばらくして、母に新しく猫を飼おうと提案したのですが、『織部の最後は通院が大変だった』とか『二度と悲しい思いをしたくない』とか言って、強く拒否されました。でも、内心は飼いたいと思っていたようで、以前行ったことのある『こねこカフェSanctuary』に行くことにしたのです。そこで出会ったのがあずきでした」
■「お嬢ちゃん」という名前の子猫
2017年10月8日、猫カフェに行くと、人懐っこい猫たちが寄ってきてくれた。両親はかなり迷っていた。カフェのスタッフに希望を聞かれ、お母さんは、織部くんが王様気質で結構世話が大変だったこともあり、「女の子で、おとなしい感じの子」と即答した。「それならぴったりの子がいる」とバックヤードから連れてこられたのがあずきちゃんだった。当時は「お嬢ちゃん」と呼ばれていた。あずきちゃんは両親に代わる代わる抱っこされて完全に固まっていた。
「さらにカフェのお客さんが飲み物をこぼした音にビックリして、腕の中から飛び出し、バックヤードに消えて行きました。その可愛らしさと可憐さに心を打た れて、あずきを引き取ることに決めました」
■家の中が明るくなった
10月16日、Kさん一家は、あずきちゃんを迎えた。あずきちゃんはよく食べる子で、すくすく育ち、体重も順調に増加した。「太り過ぎないようにフードを変えて」と獣医師に言われて変えてみたが、あずきちゃんは新しいものには慎重で、あまり食べてくれなかった。
「なんとか食べてもらおうと、食事中ずっと撫でていました。今でもかまってほしい時は、『なでなでしてくれないと食べてあげないよ』という態度を取るという。
両親に孫のように甘やかされて育ったせいか、家に来たときは大人しく、鳴き声も儚げだったあずきちゃんはお嬢様気質を発揮するようになった。
「慣れてくるにつれて、隠していたお嬢様気質が垣間見えるようになり、何かを要求して力強く鳴いたり、抱っこを拒否したりするようになりました。人間たちはお嬢ちゃんに完全に振り回されています(笑)」
そんなあずきちゃんだが、Kさんは、あずきちゃんのおかげで家の中が明るくなったという。
「家族の中でケンカやいざこざがあっても、あずきがそばを通るだけで『こんなことで揉めてても仕方がないね』と笑顔になります」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)