猫をしばらく預かって知った「命の尊さ」 私も保護猫を迎えたい…そんな時出会ったのは、目が不自由な猫
コトラくん(3歳・オス)は千葉県の公園に捨てられていた。目が悪くてほとんど何も見えていないようで、怖かったのかいつも側溝に身を潜めていた。目は不自由だったが毛並みは美しく、公園に出入りする猫ボランティアにはいつも気にかけてもらっていた。
千葉県に住むりえさんは、猫を飼ったことはなかったが、コトラくんのいた公園で保護された猫、つぶちゃんをしばらく預かることになった。つぶちゃんの里親とはインスタグラムで繋がっていた。
「里親さんはつぶちゃんと暮らすためのマンションを契約していたのですが、コロナの影響で工事が遅れたため、予定よりも入居が遅れたんです。それでつぶちゃんを預かったことが、私がコトラを飼うきっかけになりました」
■運命を感じて保護
りえさんは、つぶちゃんを3週間預かって命の尊さを学び、人との繋がりも強く感じたという。
「預かりが終了して、里親さんにつぶちゃんを渡した後、自分も保護猫を迎えたいという気持ちが強まりました。そこでつぶちゃんがいた公園に行った時、コトラと出会ったのです」
りえさんはコトラちゃんを飼おうと思っていたわけではないが、コトラちゃんを見て運命を感じたという。
「放っておくと道路に飛び出して事故に遭う可能性もあったので、つぶちゃんの里親さんにも相談して、すぐに主人にも相談。翌週保護して家に連れて帰りました」
■コトラを守るためにすべきこと
コトラちゃんは目の治療が必要だった。ボランティアの獣医師に診てもらい、治療をしたがまたすぐにぶり返した。眼科のある動物病院で診てもらうと、難治性のヘルペスと診断された。りえさんは可能な限り治療したいと思い、白濁を取る手術をしてもらい、投薬と点眼のため3週間おきに病院に通った。点眼は日に4回していたが今は1回になり、状態は落ち着いているという。
「コロナ禍でなかなか外出できなかったのですが、そんな時にコトラを迎えて生き甲斐になりました。目が不自由なのに全力で私たちに接してくるコトラに勇気をもらいました。コトラを守るためにも、自分が健康で、強くならなければいけないと思いました」
コトラちゃんは庭で散歩するのが好き。穏やかで賢い猫だという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)