7歳女児不明から1週間 発見された靴から水際までの距離に注目 「事件性に重き置くべき」元刑事が指摘

千葉県松戸市に住む小学1年南朝芽(さや)さん(7)が23日に自宅を出たまま行方不明となり、1週間が経過した30日も捜索が続いた。連日、現場を取材している元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトに対し、南さんの家族から聞いた証言を明かし、発見された靴と靴下から水際までの距離が離れていることなどに注目して「事件性の可能性に重きを置くべき」との見解を示した。

千葉県警松戸署によると、南さんは23日午前11時半ごろ、母親と自宅近くの公園に行く約束をし、先に1人で自宅を出たまま行方が分からなくなった。同日夕方、隣接する流山市内の公園から外出時に乗っていたキックボードが見つかり、24日午前には公園から約300m離れた江戸川の河川敷で南さんの靴と靴下が発見された。28日には、川の1km下流の取水口で「さや」と名前が書かれ、南さんが身につけていたものと一致する帽子が発見された。29日はこの取水口付近を含め、160人態勢で進められた。同日夜、朝芽さんの家族は「さやを保護して下さっている方がいらっしゃいましたら、人が多い安全な場所にそっと離していただきたいです」などとコメントを出した。

小川氏は「お母さん、年齢の離れたお姉さんに『過去に朝芽さんが川で水遊びしたことがあったか』と聞いたところ、『そんなことはない。逆に水は怖いくらいだ』ということでした。帽子が川に落ちたとして、水が苦手でも自ら取ろうとして水の中に入ったかどうかと、お姉さんに質問してみたところ、『(妹は)それほど物に執着がないし、帽子をなくしたからといって(家族が)怒るとは思わないので、自分から怖い水の中にわざわざ入ることは考えられない』と、これはあくまでも仮説の話ですが、そうおっしゃっていました」と補足した。

その上で、小川氏は「河川敷で靴と靴下が見つかった場所について、現場で捜査関係者に話を聞くと、その場所は水面のすぐ近くではなく、20~30m離れていたということです。当初、整然と置かれていたという話もあったが、靴は裏返っていたと聞いている。人が比較的、川辺に楽に降りて行ける場所でも水深を測ると約70cmあり、大人でも入るのに躊躇(ちゅうちょ)する深さの川に自ら入ったのかどうか疑問が残る。また、朝芽さんが川に入るために自分で靴と靴下を脱いだとしたら、水辺への20~30mは裸足で行くことになる。芝生の所は裸足で歩けたとしても、水際までの5m余りは土になっていて、しかも、水を怖がっていた子どもが1人で行ったとは考えづらい。水際ではなく、わざわざ離れた場所に靴を置く必要はない。つまり、本人が脱いで置いたとは限らず、誰かが後で置いた可能性もある」と推測した。

一方、小川氏は「行方不明になった当日、近くで野球を見ていた人に話を聞くと、選手の家族や応援の人も含めて『30人以上はいたのではないか』ということでした。そこに子どもがいたか…と質問したところ、子どもさんはたくさんいたので、朝芽さんがその中にいたかどうかは区別できない。大声を出すなどして違和感を覚えさせる子どもがいたかどうかも、野球を見ていたので分からない』と話していた。いずれにしても、現場には30人以上がいたということで、他に目撃者がいる可能性はある」と語った。

また、同氏は「お姉さんによると、朝芽さんは『道を覚えるのが得意』ということであり、迷子になったとも考えづらい。河川敷まで来て、また、別の場所に行った可能性もある」と付け加えた。

今後の捜索について、小川氏は「まだまだ分からないことが多いが、事件か事故かというと、事件の可能性に重きを置いて捜索する方が大事だと思います。『事件と事故の両面で捜査している』というのは警察の常套句ですけど、川に転落した事故と決めてかかると、捜索中心だけになってしまう」と懸念した。

さらに、同氏は「キックボードを公園に置いて、1人で急な坂を上って河川敷に降りたという中で、靴と靴下を自分で脱いだのか、第三者が関与しているのか。事件である可能性を考えながら、目撃者を探し、現場で画像を撮っていた人がいれば提供してもらい、さらに防犯カメラの解析をして、本人が身につけていたものの探索等を進めながら捜索を続けていく必要がある」と指摘した。

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