「黒猫の面会に来ませんか?」譲渡が決まった日に届いたメール 一度に2匹を迎えた飼い主さん「この子たちのために頑張るぞ」

■最後に子猫から育ててみよう

慈是ちゃん(じぜちゃん・4歳・メス)は2018年7月1日に、清麗(せれちゃん・4歳・メス)ちゃんは、2018年7月6日に東京都に住むOさんが迎えた。その時、慈是ちゃんは生後2カ月くらい、清麗ちゃんは生後4カ月くらいだったという。

Oさんは子どもの頃から猫が大好きで、実家でも猫を飼っていた。ひとり暮らしをするようになってからも代々猫を飼っていて、猫との暮らしは30年以上になるという。

2017年の秋、先代猫をがんで亡くし、四十九日を済ませた後、「子猫から飼えるとしたら、年齢的に次が最後だろう」と思い、新たな出会いを求めて猫を探し始めた。しかし、単身の女性に保護猫を譲渡してくれる保護団体はなかなか見つからなかった。

ある日、そうした条件にこだわらないという保護主をネットで見つけ、子猫と面会することになった。子猫は九州で兄弟と一緒に保護されたが、山口県のボランティアのところに行き、その後、埼玉県のボランティアのところに来た。

「面会で落とされる可能性もあると思ったので、何も引き取りの準備をせずに会いに行きました。でも、とても人懐っこい子猫で、初対面の私にも全く物怖じせず受け入れてくれたので、即日で譲渡が決まったんです。その子が清麗でした」

清麗ちゃんは、後日連れてきてもらうことになった。

■黒猫の子猫との出会い

清麗ちゃんの話が決まってウキウキして帰宅したOさん。メールチェックをしたら、先代の猫のかかりつけの病院から、「黒猫の子猫を保護しています。Oさんが以前『黒猫を飼ってみたい』とおっしゃっていたのを思い出してご連絡しました。よかったら面会にお越しください」というメールが届いていた。その子猫が慈是ちゃんだった。

「慈是は、近所の神社に1匹でいたところを保護されたそうです。頑張って探していた時は全然ダメだったのに、急に2匹!と驚いたのですが、これもご縁と翌日面会に行きました」

病院のスタッフから、「Oさんなら安心してお譲りできます。このままお連れください」と言われ、思いがけず慈是ちゃんを先に迎えることになったという。

■この子たちのために頑張るぞ!

慈是ちゃんはまだ人馴れしておらず、どこにいるのかわからないような場所に隠れてしまった。

「過去に暮らした子たちはこんなことはなかったので戸惑いましたが、無理に引きずり出したり、追い回すのは逆効果だと経験上知っていたので、危険がないよう気を配りながら放っておきました。すると、夜になると物陰から出てきて、私の膝に乗るようになりました」

しかし、慈是ちゃんが完全に心を開いてくれたわけではなかった。後日、清麗ちゃんがやってきて、何年も前からOさんと暮らしているかのように振る舞うのを見て、慈是ちゃんも「この人間は大丈夫かも」と思ったようだった。

慈是ちゃんはおもちゃで遊ぶのが大好き。自分でおもちゃを咥えてきて「遊んで」とアピールする。素敵な場所を見つけるのも得意で、「え!そんなとこ?」と驚くようなお気に入りの場所をたくさん持っている。清麗ちゃんは、立っているOさんの肩に飛び乗るのが得意。Oさんが体調不良で寝込むと、添い寝してくれる「ナースキャット」でもある。

「2匹とも優しくて、私が凹んでいるとピタッと寄り添ってくれます。それに、辛い時も、『この子たちのために頑張るぞ!』という気持ちになれます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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