ひろゆき氏が沖縄座り込み抗議に「0日にした方がよくない?」 主催団体「住民感情を逆なでしてる」
「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」
ネット掲示板「2ちゃんねる」元管理人のひろゆきさんが10月3日、沖縄の基地反対運動に対して発したツイートが波紋を広げています。沖縄入りしているひろゆきさんは「新基地断念まで座り込み抗議 不屈3011日」と書かれた看板の脇に立ち、笑顔でピースする写真とともにツイートを投稿しました。
抗議の座り込みに参加する団体から「辺野古の座り込み行動は、工事のための車両が来る9時、12時、15時に合わせて行われます」「夕暮れ時に突然来て、『現場には誰もいない』と発信すること自体が失礼で、悪意のある行為です」と反論されると、ひろゆきさんは「『9時、12時、15時しか居ません』と書いてくれないと、わからないですよ。誤解する人が増えないように、書き足しておいて貰ってもいいですか?」とさらに投稿しました。
8年に渡って辺野古での基地建設反対運動を行ってきた主催者団体「オール沖縄会議」は「沖縄の実態を踏まえず、そのような発言をされるのは残念でならない」と憤りをにじませます。オール沖縄会議に聞きました。
■ 抗議は平日 以前は24時間監視していた
オール沖縄会議は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する市民や政治家でつくる団体で、正式名称は「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」です。
ーーひろゆきさんが訪れた際、基地建設に抗議している人がいなかったとツイートしました。
「現在、抗議活動は埋め立て工事が行われている月曜~金曜に行っています。だいたい午前9時、正午、午後3時ごろに工事車両が土砂を運び込むので、その時間帯にゲート前に集まり、座り込みをしています。朝、那覇からオール沖縄会議が貸し切ったバスに参加者が乗り込み、辺野古へ行って、時間帯によって座り込みをしたり、仮設テントで過去の裁判の動向を勉強したりしています。
参加する人はリタイアした60代以上が中心で、参加者が数人の日もあれば、若い人が音楽機材を手に数十人集まって、歌ったり、ラップをしたりする日もあります。私たちは午後3時ごろの座り込みを終えると、午後4時ごろには貸切バスに乗って那覇へ戻ります。ひろゆきさんが現場を訪れたのは、それより後の時間帯だったのではないでしょうか」
「抗議活動は2014年に始まりました。当初はテントに寝泊まりし、24時間、寝ずの番で、工事のトラックを監視し、抗議していました。当時は政府も深夜に不意打ちでトラックを入れようとしていたので、こちらも夜遅くまで対応せざるを得なかった。でも、工事がルーティン化され、平日の決まった時間に行われるようになり、我々も工事の時間帯に合わせて抗議活動を行うようになりました。
座り込みも、警察に担がれて強制的に排除されていましたが、コロナ禍でお互い接触を避ける必要があり、現在は(座り込みをした人が)自ら立ち上がって動くようにしています。それでも抗議活動を続けることで、基地建設反対の意志を示すことが大事なんです。何も抗議しなかったら、(工事を)やってもいいことになる。闘わない闘いをしているんです」
ひろゆきさんは「『座り込み』その場に座り込んで動かないこと。目的をとげるために座って動かない。知らない間に辞書の意味変わりました?」「実際には、辺野古の基地前に1日1時間ほどしか座ってないという事実を知らない人が出るんですよね。それとも毎日23時間もトイレに行ってるのかな?」と「座り込み」という言葉に疑問を投げかけています。
「参加している人に高齢者が多い中、ずっと座り込みをしていたら倒れてしまう。暑いし、排気ガスもすごいんです。今でもぎりぎりで頑張っているのに24時間となると…。でも、抗議活動の現場に来た人の中には、『座り込みは意味がない』と言う人もいます。座り込んでも警察に排除され、工事のトラックは入るじゃないかと。でも、土砂の搬入などを遅らせるために抗議活動を続けているんです。それが『これ以上、基地負担は受け入れられない』という沖縄県民の願いだからです。
実力行使はなかなかできないけれど、私たちに保障された表現の自由の範囲で抗議の意志を示しているんです。(ひろゆきさんには)それを純粋に受け止めてほしい。沖縄の歴史や実態を踏まえず、そのようなことを言われるのは残念でならない。日常的に米軍基地の騒音や悪臭、排気ガスなどの被害を受けている人がいる。そういう住民たちの感情を逆なでしています」
オール沖縄会議の担当者は「抗議活動を身を持って体感してほしい。なぜやっているか、やってみないと分からないんです」と話しました。
(まいどなニュース・伊藤 大介)