定員オーバーで学童に入れない!…「安全な放課後の過ごし方」どう確保しましたか? 保護者たちに聞いた試行錯誤
小1の壁にも様々なことがありますが、そのうちのひとつが「放課後の過ごし方」です。ほとんどの人が学童や類似した施設に預けているようですが「定員オーバーで学童に入れなかった」「子どもが施設に行きたがらなかった」といった理由で、1年生から「お家で留守番」するケースもあるようです。ひとりで安全に過ごせるように、事前に練習したり、緊急時の対応方法を用意したりと、保護者たちも試行錯誤を重ねている模様。実際に小1で「学童」以外を選択した保護者たちに、体験談を寄せてもらいました。
■練習を重ねて…しっかり留守番できるように
▽「ひとりで30分留守番してみる」からスタート
学校の中にある学童は人数制限があり入れず、どうしようかと悩みました。ちなみに私自身は母が看護師でしたから、小学生の時から鍵っ子でした。あまり記憶になかったので母に聞くと、平然と「1年生から留守番させてた」と言うんですよ。それなら子ども1人で過ごせるのかな、と。
女の子だったので夫は不安がりましたが、逆にしっかりしてるので、入学前の週末を利用して留守番の体験・練習をさせていました。ひとりで30分留守番してみる(その間夫は家の周りをウロウロして様子を見ていた)…あたりからスタートしていました。
実際に留守番をするようになってからは、キッズスマホを持たせましたが、親が管理できるアプリを入れてゲーム時間などもきっちり制限。仕事の合間にちょくちょく電話をいれて、子どもと数分でもいいので話をしました。この時に「オヤツ好きなもの選んだよ」とか、楽しい話をちょっとでも混ぜて語りかけるように気をつけたかな。
あと、私はやっていませんが、同じ職場で小1から学童に入れないで留守番させているママは、リビングにカメラ?みたいのを設置して、自分のスマホで子どもの様子を確認できるようにしているそうです。一度、豪雨で雷もすごかった時には子どもから電話がかかってきましたが、この時はタクシー飛ばして帰宅。まぁいろいろと不測の事態もありますが、なんとかなるものです。(Nさん/子ども小1)
▽ルールを徹底!小さいトラブルはあったけれど…
うちの地域は学童が足りず、抽選で落選したし、民間学童は料金が高くて無理なので、子どもと話し合い3カ月くらいかけて、ひとりで留守番できるように教えました。小学生になるって子どもにとっても大きなこと、ひとりでできる!と頑張りました。
カギでドアをあける、ドアを閉めたら内側から必ずカギをかける…といったことから練習しましたよ。インターホンには出ない、家の電話が鳴っても出ない(キッズ携帯を持たせました、親と祖母にしか繋がりません)、いくつかのルールも徹底させました。
それでも最初は不安でしたので、車で30分くらいの所にいる私の母(パート勤務)に、不意打ちで家に行ってもらい、実際にどう過ごしているかチェックしてもらいましたが、しっかりしたもんだと感心するくらい。まぁ、オヤツのゼリーだして、冷蔵庫の扉が半開きのままだった、とか、手洗いした後に水道の蛇口をきちんとしめてないとか…小さいトラブルは何度もありましたが、そういう時も怒らないで「毎日ひとりでお留守番している!頑張ってるね!」と褒めて褒めて、なんとか小1を乗り越えました。いざという時は、私の母が駆けつけてくれるという手段もあったので出来た部分はありますが。
あとはどんどん年齢があがるにつれて、留守番もへっちゃらになるし、習い事へもひとりで通うようになるし。本当、最初だけです(Kさん/子ども小3)
■公的支援や学校のサポート、ママ友まで総動員
▽シルバー人材センターに相談
うちは男の子のひとりっ子ですが、保育園の時からおとなしいタイプでさみしがり屋。人見知りも激しく、小学校入学だけでも大変なのに、学童を見せたら「絶対に行きたくない」と言うので…。結局、市役所の相談コーナーに行ったところ、シルバー人材センターを紹介されました。
いわゆるファミリーサポートと似ていますが、けっこう融通がきくのと、ご夫婦で見てくれるのでスイミングの送迎も頼めますし、そのご夫婦の知り合いもいて、突発的な予定変更でも対応してもらえるのがありがたいです。
最初に決めるまでの手続きなどが煩雑ですし、良い方と出会えるまで、何度でも繰り返し面接をするなど大変なので、早め早めに準備する必要はあります(うちは年末に相談し、1月からお会いすることを繰り返し、2月中旬に決定、3月中に何度かお世話になり慣れさせました)。
今は小4になり、もうお世話になってはいませんが、時々、そのお宅に遊びにいったり、夕飯に呼ばれて行くくらいです。安いとはいえ、料金もお支払いしているわけですから、知り合いのママに頼むのとかと違って、こちらも気がラクです(Aさん/子ども小4)
▽いろいろな方法で見守り体制を作る
うちの学校は小1と小2は、週に2日ほど「放課後キッズクラブ」があります(使える教室や指導員の数に制限があり、学年ごとに曜日が決まっています)。月曜と水曜で、そのまま学校の校庭で遊んだり、教室で指導員のもと、宿題をやったりして17時に下校します。あとはファミサポに登録していて、残業になりそうな時は頼んでいますね。さすがに夜8時くらいまで小1でひとりというのはどうかとは思うので。
それから、警備会社とも契約しました。窓をあけて閉めた時にカギをかけないとセンサーで知らせてくれたり、万が一の時は勤務先から私が戻るより先に警備会社が到着する安全性のためです。
夏休みは、少し遠いのですが大学生の従妹がいるので、バイト代払って、昼ご飯から5時くらいまで見てもらったり、デイキャンプ(朝8時にお弁当もって行き、夕方5時まで、日帰りタイプのキャンプ、遠足やプールなどもある)に入れたり、まぁ、あれやこれやと色々駆使して、日程を埋めました。
小1で学童に入れないのなら、様々な方法で見守る手段を作り、必要経費と割り切り(低学年のうちだけですから)、安全と安心を確保するのが重要だと思います(Rさん/子ども4歳・小1)
▽頼れるママ友との関係を築く努力
基本的にひとりで過ごせるように、何カ月も前から週末を利用して練習させました。私自身、ママ友との関係は得意な方ではありませんが、やはり、いざという時に見てもらえる、そういう友だちを作るように努力しました。
同じマンションに住む学年が少し上の子がいるママと知り合ってからは、「何かあれば、ウチに来るように言ってあげて」と言われたので、ありがたくお願いしています(実際には駆け込むことはまだないのですが、そういう家があると思うだけでも安心感が違う)。
あとは仲良しの子の家に時々学校帰りに遊びに行っていますが、あくまで向こうから「今日は午前授業で早いから、うちに遊びにくれば」と言ってもらえる場合のみにしています。快く誘ってもらえるように、土曜日などにはお子さんを誘って、大きな公園にピクニックに連れていったり、プールや遊園地に行ったりして「こういう時にしか、普段のお返しできないから、1日うちで預からせてね、一緒に遊びたがってるし」と月に2回くらいはやってましたね。
Win-Winというか、お互い様というか。専業主婦のママたちともきちんと意思の疎通をはかり、必ず「お金やモノではなく、時間(子どもを預かる)でお返しする」ように注意すれば、ある程度、気が合うママ友ができれば、うまくいくと思います(Sさん/子ども小2)
■“子どもの留守番”…失敗ありましたけど今は笑い話!
▽まさかの交番から連絡が!!!
少し慣れた頃、ランドセルにカギを結びつけていたのに、帰りがけに友だちと公園に寄り道し、ランドセルをベンチにおいて(つまりキッズ携帯もランドセルにいれたまま)、そのまま家に帰宅したことがありました。
子どもはランドセルを忘れたという考えはなく「なくした」と思ったようで(こういう思考回路は親の想像を超えている)なんと、交番に行ってしまいました。
交番から職場に電話が入り、内容をいわず警察と言うものだから上司の方がビックリ仰天してしまい、会議中だった私を大声で呼び出すので、本当に何事かと思いましたよ。結局、おまわりさんが公園に見に行きランドセルを発見、私は早退させてもらい駆けつけた時は、子どもはのほほんと交番で婦警さんとお喋りしてました…。
ランドセル置き忘れと職場には言えず、何か知らない人に話しかけられて交番行ったみたいで…と、しどろもどろで翌日、釈明しましたが。まぁしかし、何かあれば交番へ行くのは正しい行動なわけで、落ち着いてからは「これなら安心といえば安心なのかも」とも思いました。(Mさん/子ども小2)
▽カギがないからって、ソレ!?
週末に別のバッグで出かけてカギをそちらに入れておき、翌日学校へ行く時にランドセルにつけ忘れてしまったことがあります。中へ入れないわけですが、本当になぜかはわからないけど、うちの娘は髪の毛にさしていたヘアピンを鍵穴にいれて、なんとか開けようと!ガチャガチャやっちゃったんですよ。
キッズ携帯で連絡があった時に「だから~、カギないから、あのね、ピンいれたよ」とかワケわからない事を言うので、焦りました。外回り中の夫が会社に事情を話し、とりあえず帰宅したけど、ヘアピンは折れて鍵穴が埋まっていたそうで…。
仕方なく、キーロックの業者を呼び、1万円も支払い、施錠部分を直してもらい、ようやく中へ入ることができました。まったく、子どもというのは想定外のことをやりますね。細かくルールを教えていても、こういうハプニング?は起きるので、ひとまずやはり、キッズ携帯を持たせて、何はともあれ連絡をつくようにはしないとダメだと思います(Tさん/子ども小5)
■できれば学童に預けて安心したいけれど
ママ達の話を聞いていると、共通しているのは、いきなり留守番をさせるのではなく、何カ月か前から「ひとりで留守番をする」練習をしていること。そして緊急時に何かしら、自分以外の誰かが子どもを見にきてもらえるような手段を得ていること、ですね。
正直なところ、やはり小学校1年生で放課後からママ・パパの帰宅時まで留守番させるのはかなり不安はあるでしょう。学童やファミサポ、放課後クラブなどに入れるのがスタンダードな方法です。
いつでも常に「子どもの安全」が最優先であることに、変わりはありません。親としてどうすれば子どもが安全に過ごせるか、できうる限りのことを考えて行動するのが基本の基本ですね。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)