ピンチ!潮溜まりに取り残されたマダコ 磯を歩き、目指すは海 観察動画が100万回再生

磯の潮溜まりに取り残されたマダコ。潮が引きみるみる海水が減っていく中、意を決したかのように潮溜まりを出て移動を始めました。タコは陸上で長時間生き抜くことが難しいエラ呼吸です。無事に海に還ることができるのでしょうか。撮影したTwitterユーザーのももいか(@momoika_t)さんが目にした驚きのエンディングは。

「潮溜まりに取り残されたタコが海に帰るまで。タコが陸を歩くのは本当だった。」と、水族館の飼育員であるももいかさんが公開した動画が100万回近く再生されて話題です。潮溜まりにとどまらず海を目指したたマダコは道中、別の潮溜まりにいったん入りますが、“安住”することなく、再び磯を歩き海を目指します。そして水際にたどり着くと、足をすいーっと伸ばして泳ぎ去っていきます。よかった。奇跡の生還を見守っていたももいかさんに聞きました。

ーこの動画は

「撮影したのは私です。場所は津軽海峡に面した磯です。10月9日朝7時頃、アオリイカ狙いに磯に行くと、潮溜まりでマダコを見つけました」

ー磯にタコは珍しくないのでしょうか

「磯の潮間帯はエサのカニが多く、捕食者である大型の魚が入り込みにくいのでタコの天下です。以前も潮間帯でタコを見つけたことはありましたが、今回はちょうど大潮の最干潮のタイミングなので通常より潮が引いていたので見つけることができました。ほとんど水がない場所で、タコはどうするのか?と観察を始めました」

ーユーチューブのフルバージョン動画では、潮溜まりを出て別の潮溜まりに入りますが、迷うことなくそこを出て海に向かいます。不思議です

「タコの仲間は人の顔を覚えたり、瓶に入れた餌を自分で開けて食べるなど高い学習能力を持っています。はっきりしたことはわかりませんが、地形の配置から海の方向を覚えていた可能性もあります」

ーエラ呼吸のタコにとって陸上を歩くことも驚きでした。動画の最後、泳いでいくシーンに思わず「達者でなあ」と。

「タコはエラ付近に水を貯められるという話もありますが、科学的にはまだ証明されておらず、研究者の話だとおそらく人間が素潜りの際に息を止めるのに近い状態ではないかと考えられているそうです。撮影中は、とにかく陸を歩く姿に驚き、この後どうなるのか心配しておりましたが、無事到着できたようでホッとしました。もし、力尽きそうならさすがに可哀想なので海まで運んであげるつもりでした」

ータコってやっぱりすごいですね

「タコの魅力はやはりその独特のフォルムと高い学習能力だと思います。タコは貝の仲間ですが、硬い殻を脱ぎ捨て天敵の多い海で生き残るために、私たちと同じように知能を発達させたのだと考えられています。陸上で狩りをするアナダコや他の生き物を真似るミミックオクトパス、ココナッツの殻などを持ち歩いて巣穴にするメジロダコなど、私たちのがまだ知らない生態を持つ種がたくさんいます」

ー動画ツイートは3万以上のいいねがつきました

「「タコすごい」「頭がいい」「感動した」など好意的なコメントを多数いただきました。推しであるタコの魅力を多くの方に知っていただけて、大変光栄です。イカやタコの面白い生態を今後も紹介していきたいですね」

ももいかさんは自宅でサメハダテナガダコを飼育し、YouTubeチャンネル「イカタコLIFE」でイカタコの魅力を毎週配信しています。

(まいどなニュース・竹内 章)

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