猫と脳梗塞で倒れたおばあさんとの幸せな時間 在りし日の猫との思い出写真に「心までポカポカだよ」
おばあさんのことが大好きだった猫のミミちゃん、今はもういません。今月のミミちゃんの月命日に、おばあさんの娘さんが、おばあさんの思い出の写真をSNSに投稿しました。「ミミちゃん『ばあちゃんボク月命日だから会いに来たよ。今日は寒いからばあちゃんの膝であたたまるんだ』」。そこには、かつておばあさんの膝の上で安心して寝ているミミちゃんが映っていました。
おばあちゃんとミミちゃん、お互いの愛情が伝わってくるようなほっこりした画像を見た人からは、
「ミミちゃん、おかえりなさ~い。おばあちゃまとゆっくりお話ししてね。今日は寒いからお膝でねんねだね」
「ミミちゃん会いにきてくれてありがとう。私は心までポカポカだよ」
「ミちゃん お帰り。寒いしね!二人で温まろう。心もぬくぬくポッカポカ」
などたくさんの反響がありました。
投稿したミケちゃんさん(@ojm52811)におばあちゃんとミミちゃんのお話を聞きました。
ーーおばあちゃんとミミちゃんの出会いについて教えてください。
「18年前、私の母は先代猫のチビちゃんを亡くしました。毎日泣き暮らしていて、このままでは病気になってしまうと思いました。そんな時、地域誌の子猫の里親募集コーナーに、ミミが掲載されていたのです。生後2ヶ月くらいでした」
ーーお母さんとミミちゃんは仲良しだったのですか。
「はい、母とミミは寄り添うように、ささやかですが毎日幸せに暮らしていました。ところが、2020年11月2日、母が脳梗塞で倒れてしまったのです。『右半身麻痺、完全失語になったので、どこか転院先を見つけてください、もう家には帰れない』と医師に言われました。私たち家族は失意のどん底にありました」
ーーミミちゃんとお母さんは離れ離れになってしまったのですね。
「なんとか母とミミが一緒に暮らせるように考えたのですが、ほどなくして病気一つしたことのなかったミミが体調不良になり、11月19日、母が奇跡的に後遺症一つなく、退院できたのです」
ーーお母さんとミミちゃんは、再び一緒に暮らせるようになったのですか?
「そうです。でも、幸せな日々は長続きはしませんでした。ミミは移行上皮ガンと腎不全になっていたのです。ミミは残された時間を知っていたのでしょうか。母の膝の上に乗りじっと顔を見つめて、その時間を母と過ごすことに捧げているように見えました」
ーーその後、ミミちゃんは天国へ?
「5月6日、ミミは病院から帰ると動かなくなりました。15時30半に母がデイサービスから帰ってきたのですが、母は涙しながらミミを膝の上に乗せました。それから15分後、ミミは安心したかのように息を引き取りました。ミミは母が帰ってくるのを待っていたのかもしれません」
月命日に帰ってきたミミちゃん。おばあちゃんの膝の上でどんな話をしたのでしょうか。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)