大雨で首まで水に浸かった子猫たちの運命は… いまでは“育ての親”にべったり、常に半径50cm内でゴロゴロ

■豪雨災害で、首まで水に浸かっていた子猫たち

コムギくんとチョコくん(6歳・オス)は、広島県安芸郡熊野町で大雨が続いて災害があちらこちらで起きた最中、保護主の家の軒下で首まで浸かっていた。子猫は全部で3匹いたのだが、まだ目も開いておらず、生後1ヶ月くらいだった。親猫は子猫たちと逃げるのをあきらめたのか、姿はなかったという。

保護主さんは慌てて3匹を保護。後に、FaceBookで里親を募集した。

■もう一度猫を迎えよう

同県に住む清水さんは、かつて、黒豆くんときなこちゃんという兄妹猫を初めて里親として迎えた。ただ、母子感染の白血病と分かり、闘病の末、黒豆くんを3年で、きなこちゃんを1年を失ったという。清水さんは心が不安定になっていたが、SNSでコムギくんたち3匹を見つけた。掲載されていた子猫たちはフワフワのぬいぐるみのようだった。

「息子は私のことを心配して猛反対したのですが、私は小さな子猫たちの動画が頭から離れず、夫婦でもう一度里親になることを決めました」

当初、3匹とも迎えるつもりだったが、先にメスを希望した人がいたので、清水さんは男の子2匹を迎えた。

■赤ちゃん子猫を育てるには体力も気力も必要

コムギくん、チョコくんを迎えてみたら、まだフードを食べられない、ミルク飲みの赤ちゃん猫だった。清水さんは3時間おきのミルクと子猫の体温を保つための保温の管理でてんてこまい。

「小さな子猫ほど気の緩みは大敵で、愛らしい分、体力も気力も必要でした。自分たちの甘さに失笑です」

また、子猫たちに初期医療を受けさせたが、月齢3ヶ月以上でないと猫エイズや白血病、その他の治療が困難な病気の可能性は分からない。命を全うさせると覚悟したにも関わらず、清水さんは結果が出るまで祈るような気持ちになった。コムギくん、チョコくんは2~3歳の頃に軽い腎臓病になりかけて療法食を食べているが、今のところ異常はなく6歳になったという。

■笑顔が戻ってきた

コムギくんは、「お母さん、大好きだよ」と、態度や鳴き声で気持ちを伝えてくれて、いつもべったりくっついている。清水さんの手が届く所や視界に入る場所にいて、清水さんの体調が悪い時には寄り添ってくれる。チョコくんは、お客さんが来ると犬のように愛想を振りまく。家族の中ではお父さんが大好きで、夕飯の時は必ずお父さんの膝の上にいる。もう6歳だが、赤ちゃんの頃を思わせる仕草やうっとりした表情は笑いを誘う。

猫たちと暮らし始めてから清水さんはお昼寝をするのをやめられなくなったという。

「仕事がない日は、いつも半径50cm以内に猫がいて、『一緒にゴロゴロしましょう』と誘われるんです。猫は可愛がればちゃんと気持ちを返してくれますし、なんといっても毎日笑顔にさせてくれます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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