「こんなカードがあるんだ」転倒した高齢者がケガ、手当した女性に善行の証 「応急手当感謝カード」が話題

応急手当感謝カードがSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは精神科看護師のみよさん(@miyo1974)が投稿した

「なんと!バスに乗ろうとした高齢者。手すりをつかみ損ねたのか後ろに転倒。後頭部を裂傷出血。急いでゴム手袋をしてタオルでおさえる。(何故かゴム手袋を持ち歩いている笑)。意識レベル確認。その場にいた方に119依頼。救急車到着まで付き添い。こんなカードをいただきましたよ。夜勤間に合うかな?」というエピソード。

応急手当感謝カードとは、救急現場において、救急要請してから救急車が到着するまでの間、患者の手当などにあたった人に配布されるカード。その行動に感謝の意を表すとともに、応急手当を実施したことにより生じた不安や悩みをサポートするために考案され、近年、各地の自治体で急速に導入されているようだ。

みよさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「かっこいいです。お年寄りの方は足も弱くなってすぐに踏ん張れないし、皮膚も弱くなってしまってすぐ血が出てしまうし、自転車で鉢合わせしてもすぐに避けられないんですよね 私も何かあったら助けられるようにしたいと思います。」

「的確な判断素晴らしいです 目の前で起こっていても携帯で動画は撮影出来るのに人命救助が出来ない今日 自分も見習いたいと思います 救急隊からのthank you Cardも良いですね」

「たしかにこれがあれば『おばあちゃん助けてました』が本当に遅刻の理由になるもんな…」

「ゴム手袋を持っていたのはビックリです ケガされた高齢者の方は大丈夫だと良いですね。」

など数々の声が寄せられている。

■投稿者に聞いた

みよさんにお話を聞いた。

ーー救急隊が到着するまで、けがをされたお年寄りはどのような様子でしたか?

みよ:バスに乗る際に後ろに転倒した為、仰向きになって後頭部を打撲したようです。お年寄りの方が起き上がろうとした時に、血液がコンクリートに付いていたのと、頭から血液がぽたぽたと流れ落ちていたので裂傷したんだと判断し、周りにいた方と急いで近寄り応急処置をしました。

バスの運転手さんにタオルを依頼し、裂傷部をタオルでおさえながら他の方に救急車要請を依頼。たまたま通りかかった警察官の方がいまして、状況説明。バス停で転倒したので車道付近に仰向けのままだったので、警察官にお願いして歩道側に移動を手伝ってもらいました。

お年寄りの方は意識はしっかりしていました。手足のしびれもなく受け答えも出来ていました。

ーーこのカードを受け取ったシチュエーションや、受け取った際のご感想をお聞かせください。

みよ:「手指の消毒するので救急車まで来てください」と言われたので救急車の横でアルコール消毒をして戻ろうとしたところ、「ありがとうございました」と救急隊の方からカードを受け取りました。

「こんなカードがあるんだぁ。初めて見た」と思いましたが、職業柄患者さんを救急搬送して救急車に乗ることはあっても今回みたいに救急隊から感謝されることはないですからね。正直嬉しかったです。

ーーその後、お仕事には間に合ったのでしょうか?

みよ:仕事には間に合いました!職場に電話をしておいたので、間に合わなくても大丈夫だと思っていましたが、無事に夜勤に入れました。

ーー今回の反響についてご感想をお聞かせください。

みよ:正直、驚いています。ゴム手袋を持ち歩いていた事に対しても反響がありました。

私事ですが、6月に夫を亡くしました。夫の闘病生活を支える際にゴム手袋が手放せなくなり、鞄にはいつもゴム手袋を入れていました。使わなくなったゴム手袋がそのまま鞄に入っていたんです。亡き夫のおかげですね。

◇ ◇

読者のみなさんの住む自治体には応急手当感謝カードの制度はあるだろうか?誰にもマイナスがなく、最大限に善意の人をケアできるこのカード、ぜひ今以上に広まってほしいものだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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