「お前ウソつくなよ！」と警官を激怒させた運転免許証が話題を呼んでいます。12歳ちゃん（@hitonounti）さんが職務質問された警察官に示した免許証は、真っ白に染めた髪の毛をリボンで結び、可憐なドレス姿にダリのようなヒゲを生やした男性…の顔写真が写っていました。この免許証は果たして偽物？本物？「情報量が多すぎる」「これで（免許）取れるの!?」「こんなに可愛いのに」と反響を呼んだ免許証の持ち主、12歳ちゃんに聞きました。

■運転免許更新センターで職員「んーーー・・・いけるかあ」

ーーこの免許証の顔写真を撮ったのはどこですか？

「兵庫県伊丹市にある阪神運転免許更新センターで撮りました。2022年8月の免許更新の時ですね」

ーー撮影時、職員に止められませんでした？

「おじさんの職員が『んーーー・・・まぁいけるかあ』と言って、撮影してくれました。おじさんのノリが良かったおかげですかね。白く染めた髪の毛は地毛で、ウィッグ（かつら）ではありません。ヒゲも付けヒゲではなく、自前のヒゲです。マスクを付けていたのでヒゲの形が崩れていたんですが、撮影直前にダリみたいにグリグリッと巻いたら、思いの外きれいに撮れました。奇跡の1枚ですね」

ーー白い髪の毛にドレスのような衣装は、モデルがいらっしゃるんですか？

「僕は『12歳ちゃん』という名前でイラストレーターをしているんですが、2021年12月にふと、『イラストを描く12歳の女の子』というキャラクターの12歳ちゃんが、自分の分身として（頭の中に）出てきたんです」

ーーご自身も「12歳ちゃん」だけど、12歳の女の子のキャラクターとしての「12歳ちゃん」が新たに生まれたと。

「フリルのメイド服、メガネ、ニーハイ、キツネ耳にしっぽと、自分が一番可愛いと思う要素を全部詰め込みました」

■髪を白く染め、メイド服を着て、自らの分身イラストを体現

ーー可愛いをすべて詰め込んだイラストに、自らを近づけていったと。

「もともと黒かった髪の毛を白く染めて、メイド服を着てメガネをかけて…。自分にとってはコスプレというより、普段着ですね。イラストの12歳ちゃんは僕にとってのアイコンで、みんなから自分がイラストみたいに見られていないといけないんです」

「僕は身長が190センチあってガタイもよくて、タトゥーも入ってます。そんな自分があえて可愛くしたら面白いな、という逆張りの発想ですね。だから、免許証も12歳ちゃんの格好で撮ってみようと思ったんです」

■大阪・日本橋で警察官に怒鳴られるも「本物です」

ーー警察官から職務質問された時は、メイド服の12歳ちゃんの格好だったんですか？

「いや、この時はＴシャツにジーパンですね。でも、白い髪の毛で腕にタトゥーも入ってて、外国人に間違われやすいのもあってか、警察官に職務質問されることは多いんです。今の免許になって4回目でしょうか。大阪・日本橋の大通りを昼下がりに歩いてる時、2人組の警察官に声をかけられました」

「身分証明書を出すよう求められて、僕は財布しか持っていなかったんです。それで運転免許証を出したら、警察官の方から『これはダメだよ』って言われて、僕が『本物ですよ』って説明したら、『お前ウソつくなよ！』と怒鳴られました。なめ猫の免許証も持ってましたけど、そっちは出してないですよ（笑）」

ーー免許証を偽物扱いされて、ムッとしませんでした？

「いえいえ、警察官も仕事ですから。僕の見た目のせいでしょうし、『短気な人なのかなあ』と思ったくらいです。『ちゃんと（免許が本物か）問い合わせしてください』とお願いして、本物と分かったら、怒鳴っていなかったほうの警察官の方が『お手数おかけしました』と言って去っていかれました。怒鳴った警察官の方は終始無言でしたね」

◇　　◇

警察官にたびたび職務質問される12歳ちゃんさんですが、「そんなにイヤじゃないです。むしろ職務質問されてる様子がTwitterとかでネタになって、『あれ12歳ちゃんじゃね？』と知られるようになったらうれしい」とポジティブに受け止めています。大阪の日本橋や心斎橋界隈を歩いていることがよくあるといい、「見かけたら気軽に声をかけてほしい」と話していました。

（まいどなニュース・伊藤 大介）