ええっ!「泡」を木彫り!?これはどう見ても本物…超絶技巧にネット騒然「さっき風呂で使ってた石鹸より泡立ってる」
「泡」と「せっけん」の木彫り作品がtwitterに投稿され大きな話題を呼んでいます。「せっけん」はともかく「泡」というふわふわとした質感のものを「木」という固い素材を使ってリアルに表現するとは…!?きめ細やかな気泡の一つ一つも本物さながらの説得力で、せっけんの良い香りが漂ってきそうです。投稿主の木彫り作家「キボリノコンノ」(@kibori_no_konno)さんに制作の経緯をお聞きしました。
約一年前から木彫りを始めたキボリノコンノさん。「コロナ禍」で家にいることが多くなり、何か新しいことを始めよう!と思ったのがきっかけだったそう。高い技術力とユーモアあふれる感性から生み出されるハイクオリティな木彫り作品が今、SNSで注目を集めています。
見る者をその精巧さで驚かせないではおかないこの投稿に「待ってくれ 脳が理解を 拒否してる(季語なし)」と思わず一句詠んじゃった人、「わぁきめ細かい ってリアル過ぎてアワてふためくわ」とボケる人、「さっき風呂で使ってた石鹸より泡立ってるんだけど…」と感想を述べる人など、リプライ欄は称賛と笑いがあふれました。
「がんばって木彫りで泡を作ってみたのでよかったら見てください。」という文言を添えて本作をツイートしたキボリノコンノさんに、作品のコンセプトをお話しいただきました。
■リアルに彫るコツはとにかく実物を観察すること
--今作を彫ろうと思ったきっかけは?
ツイッターのフォロワーさんから、木彫りの石鹸を作ってみてほしいというコメントをいただき、それならば石鹸だけでなく泡まで作って驚かせたいと思い、石鹸と泡の作品を作りました。リアルに彫り上げるコツは、とにかく実物を観察することです。よく観察した上で、泡の柔らかさやシュワシュワ感をどのように彫ったら木で表現できるのかを考えて作りました。
--制作にかかったお時間を教えてください。最も苦労したのはどの部分ですか?
7時間で作りました。一度作り終えて写真に撮ったら、泡の部分が硬い石膏のように見えてしまいました。
そこで、いつもやっているのですが、妻や兄妹、両親に写真を送り、父から「泡と石鹸の境に泡のプツプツを作った方がいいんじゃない?」とアドバイスをもらい修正したところ、シュワシュワの泡に表現することができました。
--身近なご家族が一番の理解者なのですね。「泡」の部分の制作過程をぜひ詳しく教えてください。
木目の見える石鹸部分と泡とのギャップを楽しんでもらうために、石鹸と泡はひとかたまりの木を彫って作りました。
泡の気泡は実際には小さなシャボン玉の集まりのような丸い形をしていますが、木で表現すると陰影が少なくなってしまうため、小さな丸い穴を彫って気泡を表現しています。泡の質感を表現するために、アクリル絵の具を塗ったところに、ベビーパウダーをまぶして柔らかいふわふわした質感に見えるように仕上げています。これは、お菓子作りの動画でお菓子に粉砂糖をまぶしているのを見て参考にしました。
--他のジャンルの動画も見て研究する姿勢が素晴らしいです。本作が多くの人を魅了しました。
フォロワーさんのリクエストから生まれた今回の作品が、今度はフォロワーさんから拡散されてこのようにたくさんの方に楽しんでいただけて、人と人との繋がりを感じることができてとてもうれしいです。
作品づくりでは色の再現にとてもこだわっているので、「色をつかまえる感覚がこの世の創始者レベル」というコメントには笑いながらもうれしかったです。
生み出す作品のレベルの高さゆえか、「お題を考えるのがどんどん難しくなっていきます」とリプライでつぶやくキボリノコンノさん。彫り始めて一年、今あらためて彫りたいものは?とお聞きすると以下のような答えが返ってきました。「1年前1番最初に作ったのが一粒のコーヒー豆でした。それからいろんな表現ができるようになったので、今度は液体のコーヒーを表現してみたいなと思っています」(キボリノコンノさん)。
さらに制作するうえで一番大事にしていることをお聞きすると「私は作品を作ることそのものももちろん好きですが、誰かを楽しませたりサプライズで驚かせることが大好きです。自分の得意な木彫りで、見てくれた方に『楽しさ』や『驚き』をたくさんプレゼントしたいと思っています」という答えが返ってきました。これからの活躍にますます期待したいですね。
(まいどなニュース特約・山本 明)