「風流どすな」 京都・四条大橋の下に和船が出没 幻想的画像にTwitter民うっとり
京都市内を流れ、古都の風景と調和した美しい姿で多くの人に愛される鴨川。先日、SNS上でそんな鴨川に関係する興味深い画像を見つけた。
「四条大橋にて・・・夢か幻か、それとも見てはいけないものを見てしまったのか。」とその画像を紹介したのは正脇良平さん(@gionbubu)。
画像に写るのは3人も乗れば一杯になってしまいそうな手漕ぎの和船で、頭に傘をかぶったいかにもオールドタイプな船頭がそれを漕いでいる。もちろんこんな和船はふだんこの界隈では見られないものだ。
いったい誰が何のために…正脇さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「風流どすな」
「なんですか?これは!」
「舟が浮かぶ程の水深はないような···。月夜に見たら幻想的でしょうねえ。」
など数々の驚きの声が上がっており、またこの船頭とおぼしき男性からも
「撮影ありがとうございます。さすらいの船頭。」
という感謝のコメントがあった。
正脇さんにお話をうかがってみた。
ーーこの船頭の方を発見された際のシチュエーション、ご感想をお聞かせください。
正脇:朝や昼の出勤時毎日渡る鴨川に架かる四条大橋、日中にはカルガモの親子や鷺が佇む風情、夕には鴨川畔にて「等間隔の法則」に従い座るカップルたち…夜には夏の風物詩の納涼床に、年中通して先斗町の灯り、ただこの時だけは生まれて初めて見る風景に、一言で言えば唖然としました。
ーー発見された際の船頭の方の様子をお聞かせください。
正脇:船頭の方は泰然とし、橋の上からチラ見で頭から「?」を浮かべて通りすぎる人たちに手を振る余裕…昨年ここをヌートリアが対岸まで泳ぐ姿を見た以上の驚きでした。
◇ ◇
その後、筆者は船頭とおぼしき男性にコンタクトを図ったが、返信はなかった。男性は樋田川(愛知県高浜市)、香嵐渓(愛知県豊田市)など愛知県の河川を中心にこの和船を浮かべ、時おり女性モデルを交えた撮影会も開催しているようだ。今回、鴨川に足をのばした理由はわからないが、またこの光景は見られる日は来るだろうか。
なお今回の話題を提供してくれた正脇さんは日頃、ブログ「花街ぞめき」で昔の花街や遊郭についてさまざまな情報を紹介している。たいへん貴重かつ詳細な研究なので、ご興味のある方はぜひチェックしていただきたい。
◇ ◇
記事の公開後、船頭の男性「まっくん」から連絡があり、コメントを提供してくれた。
「四条大橋下、鴨川に舟を入れるのは私の夢でした。早朝から望遠カメラやスマホで多くの人に撮影していただいたり声をかけられたりして嬉しく思います。私は愛知在住なので時間も経費もかかりますが、まあそれ以上にみんなに喜んでいただけますから。」
Facebook、Twitter、Instagram上のハッシュタグ「#さすらいの船頭」で情報発信している「まっくん」の四条大橋、鴨川への再登場を期待したい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)