「ぼくも、入れて?」窓から保護猫用の部屋に入ってきた子猫さん、ちょっぴり臆病な先住猫の良き「相棒」に
■保護部屋に自ら入ってきた子猫
ちゃーくん(1歳・オス)は、親子で個人で保護活動をしている人に保護された。千葉県に住む安藤さんはゴウくんという元保護猫を飼っていたが、少し広めのマンションに引っ越した。そこの管理人がちゃーくんを保護した人だった。
管理人は何棟か物件を管理していて、事務所がある物件の1階に猫の保護部屋を設けていた。安藤さんがごうちゃんを飼っているのを知っていたので、入居当初から「もう1匹どう?」と勧められた。
「まだ引っ越したばかりで落ち着いてなかったのでしばらく待ってもらったのですが、数カ月後、ベランダの塗装工事の件で会った時、ちゃーの話を聞きました。ちゃーは、「入れてくれ」とでも言うように窓から保護部屋に入ってきたそうです」
「よければ一度見に来ない?」と言われ、安藤さんは見に行ってみた。
■互いのテリトリーを守れる、ほどよい距離感
安藤さんはちゃーくんを見に行くことにしたが、ごうちゃんとの相性が気になり躊躇した。しかし、一人暮らしだったので留守番中はごうちゃんはひとりぼっちになってしまう。そのことが気にかかったのと、1匹でも引き取ることで猫助けになればと思い、会いに行ったという。
「実際に会ってみたら、可愛くて心惹かれました。相性を見るために、10日間のトライアル期間を設けてもらうことにしました」
いきなりごうちゃんとちゃーくんを対面させるのは心配だったので、初めは家庭内別居のような感じで、ガラス扉を隔てて様子を見た。一日数時間、安藤さんがいる時に2匹を同じ部屋にいさせて、少しずつその時間を延ばして慣らしていった。
「初めのうちはお互いフーフー唸っていたのですが、数日ほどすると匂いを嗅ぎ合ってみたり、追いかけっこしたりするようになりました。私は外出して、2匹だけで数時間過ごさせてみたら、問題なく一緒に過ごせたので、トライアル期間終了前に引き取ることにしました」
■仲間が増えて楽しい
ごうちゃんは警戒心が強く臆病なタイプ。それに対してちゃーくんは好奇心旺盛で活発、ぐいぐいいくタイプだ。2匹一緒に暮らすようになって1年ちょっと経つが、すごく仲が良いというわけではない。同居人という感じで、たまに戯れあって追いかけっこをする。ただ、お互いのテリトリーがあるようで、適度な距離を保ちつつ互いの存在は認め合っているそうだ。
留守番をしている間は2匹一緒に遊んでいるようだが、安藤さんは仕事が終わるとすぐに帰るようにしている。
「旅行にも行かなくなりました。もし行ったとしても、猫たちが気になって楽しめないと思います」
最初は多頭飼いをするつもりはなかったという安藤さん。
「猫ちゃんもそれぞれ性格が全く違うので、仲間が増えたことで人生が前よりずっと楽しくなり、世界が広がりました」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)