母猫が落としていった子猫を保護、家に迎えると→先住猫が引きこもり…1年後ようやく距離が縮まった

■お腹がパンパンに膨らんだ野良猫

しじみちゃん(2歳・オス)は、野良猫が産んだ子だった。2020年4月頃、埼玉県に住む野澤さんはしじみちゃんの母猫のお腹がパンパンに膨らんで妊娠しているのを知った。保護しようとしていた矢先、配達のバイクの前輪にひかれてしまい、現場を目撃した人によると、そのまま走って逃げてしまったという。野澤さんは母猫が亡くなってしまったかもしれないと思い、家族や近所の人と一緒に探したが、見つからなかった。

5月初旬、野澤さんはお腹が引っ込んでいる母猫を見かけた。3週間後くらいに、母猫が子猫をくわえて歩いていたので、それを見かけた近所の人が、「あ!子猫!」と叫んだ。母猫はびっくりして子猫を落とし走って逃げたのだが、その子猫がしじみちゃんだった。その後、野澤さんは近所の人と一緒に母猫と残った子猫を保護。母猫は不妊手術をして保護に関わっていた人が家猫にした。子猫は近所の人が初期医療を施し、生後1ヶ月くらいまで育ててくれたという。

■先住猫ぷんちゃん、受け入れ拒否

野澤さんはぷんちゃんという猫を飼っていたのだが、Youtubeの猫動画をぷんちゃんに見せると楽しそうにしていた。

「もう1匹猫がいたらぷんも喜ぶだろうなと思い、自分たちが保護したということもあり、子猫の中からしじみをもらうことにしました。しじみは、2017年7月に亡くなったずずという猫に柄が似ていたのです」

6月28日、しじみちゃんを迎えたが、ぷんちゃんがいるので最初はケージに入れた。しじみちゃんは、「出して、出して」と鳴いていた。ぷんちゃんはというと、2階に行ってごはんも食べず、トイレをする時以外は2日間くらい降りてこなかった。3日目くらいからは1階にいたが、しじみちゃんとは距離を取っていたそうだ。

「先住猫のぷんが思いのほか精神的に参ってしまったので、ぷんの保護主さんに相談しながらなんとか一緒に暮らせるように頑張りました。その間、できるだけぷんを優先して、しじみにはなるべくケージで過ごしてもらいました。しじみが来て1年以上経った頃、やっと結構距離が縮まったと感じました」

今、ぷんちゃんとしじみちゃんは、べったり仲良しというわけではないが、一緒にいることもある。ぷんちゃんは臆病だがマイペース。いつも野澤さんにくっついている。

しじみちゃんはもっと臆病だが、図々しいところもあるお調子者。ぷんちゃんが残したおやつを全部平らげてしまう。どちらも野澤さんにとって猫は大切な家族だという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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