「勉強じゃなくてもいいから何かしろ」 自発性、集中力を育んだ京大卒ピン芸人の家庭の習慣

子供の自発性、集中力を育んだある家庭の習慣がSNS上で大きな注目を集めている。

「僕には『親に勉強しろと言われて嫌だった』系の思い出がない。うちは『勉強じゃなくてもいいから何かしろ』系の家で、20時になったら家族全員がコーヒーを一杯飲み、寝るまで各々好きなことをやる文化があった。いつか何らかの集団を率いることがあったら絶対パクると思う」と自身の経験を語ったのはピン芸人の九月さん(@kugatsu_main)。

九月さんは青森の名門高校として知られる八戸高校から京都大学に進学し、大学在学中はオルタナティブ教育事業に関係。芸人として活動を始めてからも僅か数年で600本以上のコントを制作するという多才ぶりだ。子供に何か押し付けるのではなく、自主的に考えて何かをやらせることで実った才能なのだろうか。

九月さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは

「これめちゃくちゃありだな 子供が小さいうちは寝に入る時間はちゃんと作るけど、しっかり伸び代のある部分はちゃんとしておきたいな」

「家族版のもくもく会開始前の時間みたい。もしくは夕会みたいな感覚。メリハリあって、ステキ。子どもが大きくなったら、参考にしたい。実家で過ごしている時を思い出すと、うちも親に勉強しろ、と言われたことはなかったなぁ」

「勉強しろ、休む間もなく働け系の連呼環境で育った私からすると天国すぎて羨ましいです」

など数々の称賛の声が寄せられている。

■投稿者に聞いた

九月さんにお話を聞いた。

ーーご実家の習慣が世間ではレアなものであると気付いた際のご感想をお聞かせください。

九月:僕は京都大学を卒業してお笑い芸人になったのですが、初対面の人に「勉強をいっぱいさせられたから遊びたくなったの?」とか「反動で?」などと言われることがあるんです。それをいつも不思議に思っていました。我慢して勉強したことはなかったし、何かに反抗したくてお笑い芸人になったわけでもないしなと。

どこに感覚の違いがあるのかなと思っていたんですが、ある時「そうか、勉強しろとか、遊ぶなとか、遊べとか、家で言われたことがないんだ」と気付きました。

家の方針は「なんでもいいからなんかやれ」というもので。勉強もお笑いも、あるいはスポーツや音楽やゲームや美術や散歩も昼寝も、「好きなこと・やりたいことをやる」というくくりで似たようなものだと思っていたのですが、そういう感覚って珍しかったんだな、と。

ーーこの習慣の中で、どのように過ごしたのでしょうか?また、それにより身に付いた習慣や知識は?

九月:過ごし方はまばらでした。読書をしたり、音楽を聴いたり、家事をしたり、好きなように過ごしました。疲れたときは寝ることもあったし、体を動かしたいときは外を走り回ってきたりなども。どれも気が済むまでやっていました。5分でやめることもあれば、何十時間も続けたりだとか。

なんだかんだで勉強もよくしていました。学校の内容だとか、そのとき興味のある内容だとか。「勉強しなきゃ」と自分を追い込んで勉強するのは苦手でしたから、とにかく好きなようにやっていましたね。どうしてもやらなきゃいけないことがある場合には、それを好きになることから始めるようにして。とにかく何でもノリノリでやれるようにしていました。

結果として、学ぶことや遊ぶことを楽しむ習慣がついたと思います。気になることがあったらすぐに調べるだとか、今これをやったら楽しそうだとか。そういう勘や反射神経が強くなったというか。また、好きなことを好きなだけやるための体力・集中力も身についたかもしれません。どんな体調でも1日くらいなら同じ作業を続けられます。

ーーこれまでのコメントや反響へのご感想をお聞かせください。

九月:様々な反応を頂いており、すべて楽しく読んでいるのですが、いくつか「そんな時間にカフェインを飲むと眠れなくなるだろ」という意見を頂きまして。ちょっと目を丸くしてしまいまして。それは全くそうだなと。20時でなく、18時とか19時の方がよかったかもなと。ちょっと悔しいですね。炎上でもなんでもない、ふつうのライフハック系のツイートで言い負かされることあるんだなと。

◇ ◇

読者のみなさんのお宅ではこんな習慣はあるだろうか?子供のいる家庭はもちろんだが、そうでなくても生活にメリハリが出来そうなこの習慣。ぜひ多くの方に取り入れていただければと思う。

今回の話題を提供してくれた九月さんは現在、YouTubeチャンネル「九月劇場」にて毎日コント動画を更新中。11月5日から6日にかけて、兵庫県尼崎市の某シェアハウスにて48時間軟禁され500本のコントを披露するという前代未聞の公演を決行する。

 11月5日~6日開催「48時間軟禁ライブ 真・まっさらな家」

会場:尼崎市内(詳細はTwitterタイムライン上にて公開)

入場料:1000円 応援込:2000円

観客は入退室自由

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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