台風が接近していた沖縄・読谷村で命拾いした子猫 猫好き一家に引き取られ、今ではあざと可愛い猫に
■命拾いした子猫たち
ベルちゃん(2歳・メス)は、2020年8月、沖縄県の読谷村の公園で保護された。体重は500gにも満たなかったという。ちょうど台風が沖縄に接近している時で、もしその時保護されなければ生きていられたかどうか分からない。公園では、黒猫のオス猫がベルちゃんの母猫代わりをしていたらしく、その黒猫に出会ったこともベルちゃんにとって幸運だった。一方、レイちゃん(2歳・オス)は、2020年9月、同じ読谷村でも港で保護された。そのため、保護団体では”みなとくん”と呼ばれていた。
■猫と強い絆で結ばれたい
沖縄県に住むNさんは、幼少期から家に猫がいるのが当たり前の暮らしをしていた。
「私が実家を出た後に、母が武蔵くんという猫の里親になったんです。武蔵は母や私によく懐いてくれて、まるで人間のような猫でした。21歳まで生きたのですが、武蔵と母の絆の強さは格別でした。その姿を見た私は、いつか自分で猫を迎えたいと思うようになりました」
2020年9月末、Nさんは譲渡サイトでベルちゃんを見つけた。長女が小学校5年生、長男が2歳半だったので、保護団体の人には「猫を飼うなら、下のお子さんがもう少し大きくなってからの方がいい」と言われたが、悩みに悩んだ末、「我が家のタイミングは、やはり今!」と決断した。
レイくんは、ベルちゃんの保護主の中村さんが、ベルちゃんのパートナーとして見つけてくれた子だった。
「中村さんは、幼い子供がいる私たちが2匹を迎えるにあたり、猫が幸せに暮らせるよう色々相談に乗ってくれました。不安を解消することができました」
■2匹は次女と次男のよう
10月、Nさん一家は2匹と一緒に暮らし始めた。レイくんは何も問題なかったが、ベルちゃんは運動神経がいい上に、とても賢かった。
「ベルは、上がらないで欲しいところを次々制覇して行きました。『あそこに上がるにはここからあそこに上がって…』と、まるでロッククライミングでもするように作戦を立てて挑むんです。最終的には私が諦めました。成長と共に、以前ほどは無茶をしなくなりました」
ベルちゃんは人間で言うなら、「芯の強い女性」という感じ。最初は凛とした雰囲気だったが、Nさん宅ではどんどん甘えん坊になり、足元でコロンコロンと横になるなど、あざと可愛いという言葉が似合う猫になった。ベルちゃんは出会った初日から長女に心を開き、大の仲良しになった。レイちゃんは無邪気でおおらか。まだまだやんちゃな長男とは特に仲が良く、ゴロゴロスリスリして、一緒に遊んだり寝たり、追いかけっこをしたりしているそうだ。
Nさんにとって、子供と同じように甘えてくるベルちゃんとレイちゃんは、次女と次男のよう。我が子のように思っている。やわやわの触り心地は癒しそのものだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)