ソウル、プサンだけじゃない…食と韓流ドラマのロケ地巡りが魅力な韓国・全羅南道 直行便も再開

 豊かな自然に恵まれ「食の宝庫」と呼ばれる韓国の左下、全羅南道が新たな旅行先として注目を集めている。2022年~23年を「訪問の年」と位置づけており、この12月に大阪、福岡から務安(ムアン)への直行便が復活するのも今後の追い風になりそう。数多くの韓流ドラマのロケ地にもなり、海岸乗馬などのアクティビティも充実。10月末には全羅南道の金瑛録知事がトップセールスのために来阪し、意気込みを語っている。

 これまで韓国旅行と言えば、ソウルが定番で続いてプサンというのがお決まりだった。しかし、癒やしや憩いを求める旅行者が増えたことを受け、韓国国内では全羅南道が脚光を浴びるようになった。

 その全羅南道は略して「全南(チョンナム)」と呼ばれ、韓国の南西に位置することから温暖で豊かな自然に恵まれているのが最大の特徴。「食は全羅道にあり」と言われるほど、海の幸や山の幸をいかした数多くの名物料理があり、韓国の味のふるさとともなっている。

 もちろん、珍島(チンド)や莞島(ワンド)など大小2165個の島々からなるリアス式の海岸線は「韓国のエーゲ海」と呼ばれるほど風光明媚。さらに1000キロ平方メートル以上もある干潟は世界的にも有名で、その一部はユネスコ世界自然遺産にも登録されている。

 実際、観光資源が豊富なことから右肩上がりに伸び、コロナ前の2019年には年間6254万人が訪れていたとのこと。しかし、コロナ禍による打撃を受け、昨年は4240万人にダウン。そこでコロナが落ち着きをみせたはじめた機会をとらえ、5市17郡からなる全道挙げて観光に力を注ぐことになった。

 特に2023年には大型のイベントがめじろ押しだ。「順天湾国際庭園博覧会」(4月~10月、順天)、「全南国際水墨ビエンナーレ」(9月、木浦、珍島など)、「国際農業博覧会」(10月、順天)を開催予定。また宿泊施設も充実させようと、そのひとつで576室ある大型リゾートホテル「珍島ソルビーチ」も完成間近だという。

 何より、追い風になっているのが務安国際空港への乗り入れが再開されたことだ。日本からも大阪、福岡の離発着が12月3日から復活する。これに合わせる形で10月24日には「帝国ホテル大阪」で行政主導による「全南観光説明会」を実施し、120人が出席。

 トップセールスで来阪した全羅南道の金瑛録知事は「天下の台所と言われ、美食の街として知られるここ大阪で、このような観光説明会を開催できるのは意義深い」とあいさつし、全羅南道の魅力を熱く語った。

 「全南はゆったりとした時間が流れ、癒やしがあり、農水産物が豊富でお母さんの料理が味わえる。一方で陸と島、島と島を結ぶ42の橋があり、海洋観光地としても海外から注目を集めている。わたしの任期がある間にぜひ、訪れてください」

 言うまでもなく、韓流ドラマのロケ地としても見逃せない。例えば「愛の不時着」「ヴィンチェンツォ」「ミスター・サンシャイン」「ザ・キング 永遠の君主」などなど。さらには「愛の温度」「ドドソソララソ」「私の国」など、それぞれの年代や世代に応じ、思い思いに名シーンを振り返りながら撮影場所を訪ねることができる。これに加えて、おいしい郷土料理を堪能できるのだから特に美食家で韓流ドラマ好きのマダムにはたまらないのではないか。

 日本の薬膳料理研究家で韓国料理にも詳しい「全羅南道名誉広報大使」の新開ミヤ子さんも、直行便の再開を大歓迎。この日のスピーチでは全南・宝城(ボソン)の茶畑がCNNによる「世界で最も驚くほど美しい風景31選」に挙げられていることを引き合いに出し「31選の中で茶畑は1個所だけ。つまり、ボソンの茶畑は世界一美しい茶畑ではないでしょうか」と会場を沸かせ、さらに「食の宝庫、食の都で竹塩づくりなど食の名人が多い。飛行機に乗れば、ムアンまで福岡からだと1時間、大阪からでも1時間半とあっという間ですからぜひ、訪ねてみてください」と勧めてくれた。

 四季折々に魅力のある全羅南道。海岸乗馬などのアクティビティも充実し、ゴルフ場も40カ所あるとか。次の旅行計画に組み入れてみてはいかが。

(まいどなニュース特約・山本 智行)

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