子猫のミルクボランティアの葛藤に胸がしめつけられる 預かり期間は2カ月「ご縁を結んであげたい」

「9月6日生まれのチョッパ君。お話来ても何度も裁ち切れで連絡が来なくなる。悲しすぎる。来月には2ヶ月になるのでチョッパ君には、保健所暮らしが待ってる。95gから育てた子を手放すのは辛いです。喜んで里親さんに繋ぐことができない中、預かりの葛藤が見えてくる。悲しい」とツイートしたのは、なつうりさん(@MAKIIKEDA3)。そこにはケージの中で元気に動き回るチョッパくんが写っていました。

チョッパくんの無垢であどけない表情に、リプ欄には、

「私は見ているだけで協力できないのがもどかしいです。とっても可愛いチョッパくん、優しい里親さんが早く見つかりますように」

「チョッパ君の成長記を見てきた身としてはかなり悲しいです…私が飼えれば良いのですが、病気が関係していて飼えないんです」

「チョッパくんにもきっと、長い長い赤い糸がつながってると思います。お話が断ち切れるのも、悲しいです」

と、心配するコメントがたくさん寄せられました。

投稿者さんにお話を聞きました。

ーーなつうりさんは、保健所のミルクボランティアをされているのでしょうか。

「奈良市保健所が殺処分ゼロにすると決めた時に、保健所のミルクボランティアの個人登録をしました」

ーー里親さんを探す時は、どんなふうに探されるのですか。

「主にTwitter等のSNSで発信してますが、TNRで知り合った方や里親さんの紹介などで里親さんになって貰っています」

ーーチョッパくんの場合、希望者は何人くらいいましたか。

「ご連絡をもらって一度は決まったのですが、先住猫が体調を崩してしまって治療に専念することになり、新たに里親募集をかけた時には5人ほどの方からご連絡をいただきました。DMでやり取りをして、『保健所に連絡する』と言っていたけど、連絡が無かったのです」

ーー子猫の場合、待っている間にどんどん成長してしまいますね。

「そうです。子猫の里親さんは、なるべく早く決めたいのです。大きくなるとご縁も繋がりにくくなるので。希望者さんからお話をいただいたら、いったん募集を停止します。どなたかとダブってしまったから譲渡できないとは言えないので。そして、里親さんが決まったら、また次の子の里親募集を頑張りたいのです」

ーー生後2ヶ月までに里親さんが決まらない場合、保健所に戻す決まりなのでしょうか。

「そうです。里親さんが決まらないと、保健所に戻すことになるのが悲しいです。保健所では、沢山の猫が里親さんを待っています。できるだけ預かった子はご縁を結んであげたいと思っています」

ーー保健所に戻ったら、保健所が引き続き里親募集してくれるのですか。

「私が預かる2ヶ月までの子の募集は、保健所は里親募集をしません。私がお戻ししたら、保健所は里親募集をします。でも、なかなか譲渡が進んでいないので自分なりに里親さんに繋げています」

ーー施設の定員オーバーになったら?

「保健所は、受け入れ対象の猫を決めています。どんな子でも保健所に収容されるということはないので、今は定員オーバーになっていません。でも、里親募集中の猫がかなりいます。奈良市は3年連続で殺処分ゼロを更新しています」

ーーチョッパくんはどんな子ですか?どんな人にもらってほしいと思いますか。

「チョッパくんは、生まれてすぐに保健所に収容されたので、性格は穏やかです。チョッパくんと共に、毎日楽しく暮らせるお家で、大切にしてもらえたら嬉しいです。もし保健所に収容されなかったら、寒くて冬を越せなかったかもしれません。繋げた命を次の方に託したいと思います」

ーー殺処分されなくても、なぜ葛藤を感じるのですか。

「生後2ヶ月を過ぎると、環境が変わるだけでもお腹を壊す子もいます。大きな猫でも、私たちが人馴れするよう頑張っても、保健所に戻ると、また人を怖がる子になることがあります。保健所に戻した子を見るのが、私には一番辛いことなのです」

ーー保健所に行くと、どんな生活になるのでしょうか。

「保健所に戻ると、猫は地下で生活します。里親さんが決まらないと、お日様を見ることはないのです。地下でも、職員の方が本当に良くお世話をしてくれますが、やはりケージで暮らしている姿を見ると辛いのです。大切に育てた子を譲渡できると、私もまた頑張って次の子を預かろうと思えます」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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