11年前、段ボールに入れて遺棄されていた子猫 すっかりシニアになり寝る時間が増えてきた
■段ボールの中に遺棄された子猫たち
ツナちゃん(12歳・メス)は、2011年7月、段ボールに入れられて遺棄されていた。岐阜県に住むMさんの兄の職場に置かれていた段ボール。中には数匹の子猫が入っていた。Mさんの兄は職場の人と手分けして保護し、ツナちゃんを連れて帰った。途中、動物病院に寄って診察を受けたら幸い猫風邪もひいておらず、お腹に寄生虫もいなかったという。
Mさんの家族はみんな猫好き。捨て猫や迷い猫がいると放っておけず、保護している。
「ただ、猫の数が増えすぎると1匹1匹に手をかけてあげられなくなるので、一度に飼うのは2匹までと決めています」
家では飼えない子猫を保護したら動物病院に連れて行き、病気や怪我がないか確認して、信頼している保護団体に相談するそうだ。
■お風呂に入ったらフワフワの子猫に
正村家に来たツナちゃんは威嚇もせず、人を怖がることもなかったので、Mさんはホッとした。ただ、ノミと目やにがひどく、保護されるまでろくに食べていなかったようで痩せていた。
「とりあえずお湯で濡らしたタオルで目やにを拭き取り、少し多めにごはんをあげました。とてもお腹が空いていたようでガツガツときれいに平らげ、おかわりを要求してきました」
翌日も朝ごはんをしっかり完食したので、お風呂に入れても大丈夫だと思って少しずつお湯に慣らすように脚の方から入れると、お湯に浸かっていない頭部の方に逃げるノミが飛び跳ねるのが見えたという。Mさんはノミを1匹ずつ捕まえて除去した。
ツナちゃんは初めてのお風呂が怖かったのか便を漏らしたが、丁寧に洗って乾かすと、ふわふわの毛並みのキジトラの女の子が現れた。
■シニアになって寝る時間が増えてきた
保護されてから11年余りになるツナちゃん。だんだん寝ている時間が増えてきた。猫じゃらしで遊んでいても、興味を示す時間が以前より短くなってきた。
後からみなちゃんという猫が来てからは、みなちゃんが遊びに割り込むと、ツナちゃんは遊ぶのをやめてしまう。Mさんは、新しく買ったおもちゃは、まずツナちゃんから遊ぶようにして、みなちゃんには待ってもらっている。
「遊ぶときには、みなちゃんがいない時に存分に遊んでもらっています。少しぽっちゃり体型なので、遊んで身体を動かして、筋肉が衰えないようにしたいのです。フードもシニア猫用のカロリー控えめ、ツナが必要な栄養素を摂れるものにするよう気を配っています」
朝起きたら、まず猫用の朝ごはんの準備を最初にするというMさん。家の中から猫に有害なものは徹底的になくして、猫がストレスなく快適に過ごせるようにしている。猫と暮らすようになってから、すっかり猫中心の生活になったという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)