洗面台のパイプ詰まり、マウスウォッシュが原因?「固まりやすいと聞いた…」 全国管洗浄協会の見解は
ここ最近、ツイッターやインスタグラム上でよく目にするのが「マウスウォッシュを使いすぎると洗面台のパイプが詰まる」という話。虫歯や口臭予防のため、口腔ケアの定番となった洗口液がなぜーー。真偽を一般社団法人全国管洗浄協会に聞きました。
■投稿多数「プロから聞いた」「業者に指摘された」
ツイッターの投稿を調べると、2013年に初と思われるツイートがありました。それは、排水管の詰まりを業者に掃除してもらったら、口に含ませたあとの洗口液は排水管にこびりつくとゼリー状になって固まりやすいと指摘されたーーというもの。
その後も2014年から現在に至るまで「マンションの排水管を高圧洗浄してもらい、洗面台の流れが悪い理由を聞いたら、原因はマウスウォッシュだった」「洗面所の流れがよくなくて、業者さんにマウスウォッシュだと指摘された」などの声が多数投稿されています。
■「毛髪、糸くず、食品カスとともにゲル状に」
一般社団法人全国管洗浄協会(東京都港区)の公式サイトには、よくある質問として「マウスウォッシュが原因で洗面所排水が流れにくくなる事象が増えていると聞きました。排水管の詰まりにどのような影響を及ぼすのでしょうか」という項目があります。
協会の回答は次の通りです。
「洗面排水は、他の器具排水のように日常的にトラップ(編集部注:排水の汚れや臭いが室内に上がらないよう水をためる部分)の分解清掃が行えないことからトラップ内での閉塞が多い箇所と言えます。その原因は、毛髪、糸くず、食品カス等がトラップや管内に付着したスケール(同:水垢や堆積物など)と共に堆積し、閉塞を引き起こしていることです。付着するスケ-ルについては、歯磨き粉や液体石鹸、シャンプ-、整髪料と様々な物質が原因となりますが、昨今、普及しているマウスウォッシュについても、うがいした後、十分な水を流さないことによりトラップ内に停滞し、同様の付着物と形を変えて留まるのだろうと推察します」(全国管洗浄協会公式サイトより)
同協会担当者に話を聞くと、洗口液だけが原因ではないとした上で、「排水が詰まった家庭にメンテナンスに訪れると、洗面台にマウスウォッシュが置かれていることが多く、普段の使い方を尋ねると『口をゆすぎ、そのまま排水溝へ吐き出します』という反応がほとんど」だといいます。
実はここに原因がありました。
「マウスウォッシュは粘性があり、排水器具の途中で毛髪やゴミ、歯磨き粉などとともにゲル状になってしまうことが多いです。予防法としては、口をゆすいだあとのマウスウォッシュの液は、十分な水と一緒に流してください。水を流すことで希釈し、付着堆積を抑止することが可能であろうと考えます」(同協会担当者)
ツイッター上には、洗管業者からアドバイスを受けたという人たちの投稿「吐き出した後にしばらく水を流した方がいいと教えてもらいました」「マウスウォッシュした時は水を多めに流す」「ジャンジャン水流してくださいって排水管清掃のお兄さんが言ってました」「排水溝が詰まらないように髪の毛は取る」などもありました。
洗口液が悪者、というわけではなく、蛇口から十分な水を流しながら吐き出すといいーーということが分かりました。自身の健康も、愛着ある家も、しっかりとメンテナンスしながら保っていきたいですね。
(まいどなニュース・金井 かおる)