公園の捨て猫を連れ帰った長男 「元の場所に戻しなさい」と反対した夫 「ひとりぼっちにしたら死んじゃう」と子どもたちは泣いた
■うちでは飼えない
花子ちゃん(1歳・メス)は、公園に段ボールに入れて捨てられていた。長崎県に住む本田さんの長男が、公園で友人とバレーボールの練習をしていた時に見つけたそうだ。箱の中には3匹入っていて、一番人懐っこかった花子ちゃんを長男が、後の2匹をたまたま犬の散歩をしていて通りかかった人が連れて帰ることになった。
本田さんが仕事から帰ってきたら、長男が「子猫を預かることになった」と行った。話を聞いてみても辻褄が合わないので、よくよく聞いてみると、捨て猫を連れて帰ってきたことが分かった。
「私は昔実家で飼っていた猫の毛が原因で目のアレルギーを発症したことがあり、もう猫は飼えないだろうと思っていたので、最初はとても戸惑いました」
それだけではない。本田家は5人の子供がいる7人家族なので、安易に生き物を飼えない。夫も反対して「元いた場所に戻してきなさい」と言ったので、長男は花子ちゃんを拾った公園に連れて行った。しかし、かわいそうだと思い、なかなか花子ちゃんを置いてくることができず、今度は友人の家に連れて行った。
「その子の家には先住猫がいたので飼えないということになり、うちに電話がかかってきたのです。親同士話し合っていたら、息子たちが『ひとりぼっちにしたら死んでしまう』と泣き出したそうです」
その涙に負けて、里親を探す前提で、花子ちゃんは再び本田家に戻ってくることになった。
■飼う気満々の夫
本田さんは、何はともあれ花子ちゃんの命を救えたのでホッとしたが、再びアレルギーを発症しないか心配だった。
「翌日には、あれほど反対していた夫が立派な猫用ケージとトイレを購入してきて、これはうちの子にする気満々だなと思いました。そういう私も一日で情が湧いてしまって、里親探しをするのをやめました」
幸い本田さんのアレルギーは発症していない。
■昼間はツン、夜寝る時は家族と一緒
花子ちゃんはまだ生後1カ月に満たないくらいだった。最初はおびえていたのか小さい声でニャーと鳴き、あまり動かなかった。しかし、2日目からはケースから飛び出して、家の中を探検し始めた。本田さんは、保護猫を飼っている先輩がいたのでアドバイスしてもらい、湯たんぽなど必要なものを準備して花子ちゃんを育てた。
まだまだ幼い花子ちゃん。戯れついて噛んでくることがある。力加減が分からないようだ。どうしたら治るのか、試行錯誤を重ねているそうだ。
すっかり家族の一員になった花子ちゃん。昼間はツンのことが多いが、夜は必ず家族と一緒に寝るという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)