東スポがポテトチップスを緊急発売 お歳暮商戦にはローソン冬カタログに餃子&からあげで“乱入”
野球、芸能の裏ネタからプロレス、宇宙人、エロと徹底した娯楽路線を貫いてきた異色の夕刊紙「東京スポーツ新聞社」が失笑覚悟で「東スポ餃子」を販売してから早や1年。ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元首相の銃撃死、円安など大いに揺れた2022年も残り2カ月を切ったが、世間を驚愕させたあの「東スポ餃子」は今、一体どうなっているのか。
■東スポ 旨さ超爆発 宇宙人もビックリ
実は多くの外食チェーンやECで展開し、自販機でも販売にこぎつけるほどに成長。その後も調子をこいて「東スポからあげ」も販売…と順調とは聞いていたが、万年新聞受難の厳しい年の瀬を迎えても東スポは、やはりというか商魂たくましかった。
大手コンビニ「ローソン」に置かれている年末年始のご進物のための「冬ギフト」のカタログ内で衝撃の発見。高級魚、高級肉…と全国各地の名品の数々が大集結した「冬ギフト」の最終ページにでかでかと『東スポ 旨さ超爆発 宇宙人もビックリ』なる得意の大見出しを掲げ、「東スポニンニクマシマシ餃子」(50個入り=税込み3350円)「東スポからあげ」(1キロ=税込み3350円)、両方セット(餃子50個&からあげ1キロ=税込み5900円)が1ページ丸ごと掲載されていたのだ。まるでご進物の中で巨大なツチノコを見つけた感じだ。
しかも新聞社が食品を売り出した理由が何やかんやと述べられ、最後に「ビール片手に東スポを読みながら餃子やからあげを食するお父さんの隣で、奥様やお子様も一緒に楽しんでいる姿が脳裏に浮かびます。ぜひ“ニンニクマシマシ”効果を堪能して頂き、よいお年をお迎えください」と柄にもなく結んでいる。脳裏に浮かんでも違和感は隠せないが、お歳暮の贈答品はもちろん、ご自宅用としてもぜひ!というわけだ。
天下のローソンと立派に“タッグ結成”とはなかなかやるではないか…というわけで、毎度おなじみ「東スポ餃子」販売の仕掛け人である平鍋幸治・東スポ取締役編集局長を直撃した。余談だが、まだ“続投”できているらしい。
■「ポテトチップス焼き鳥味」を緊急発売
「いやあ、見つけてくれましたか。我ながら大したもんでしょ。ローソンさんと縁ができたのは、1人の頼もしい部下がパイプを作ってくれたからこそ。新聞社で商品を出してローソンさんのカタログに載るのは史上初のこと。真面目にすごいし、ローソンさんには本当に感謝しています」
自身は大好きな阪神タイガースに岡田彰布監督が誕生して気分も相当いいらしい。自慢話は止まらずに「実際、10月4日の販売開始から200件以上の申し込みがあったそうです。このペースなら12月27日の受付終了までに1000件は軽くいく」とのこと。本人曰くこの「お歳暮カタログ大作戦」は大成功のようだ。この調子なら岡田監督ではないが、ブチ上げた例の「アレ」がいよいよ楽しみになってくる。
「“アレ”というのは阪神の優勝ではなく、最初に取材された時の僕の発言でしょ。僕はこの餃子で社運をかけ、年商1億円を目指すとブチ上げたんです。年商1億円ですよ(笑)。そりゃ、部下や知り合いの記者から大いにバカにされたもんですが、決してあきらめてはないんです!まだまだ挑戦していきますよ!」と平鍋編集局長。悲願の1億円の儲けもいよいよ現実味を帯びてきたのかもしれない。
それだけでは終わらない。他にも11月22日にお菓子メーカーとコラボした「東スポ×山芳製菓 ポテトチップス焼き鳥味」を緊急発売することが決定。こちらは関東エリアの大手コンビニエンスストアをはじめ、大手量販店、一部スーパー量販店で先行発売される。そして「東スポ餃子」の別バージョンとなる「島唐辛子餃子」「棒餃子」も完成次第、発売する予定だという。
さらに筆者の“極秘インテリジェンス”では、まだ試作品レベルながら「東スポミネラルマシマシ味噌汁」「東スポやみつきビーフジャーキー」「東スポ缶酎ハイ」まで計画しているという情報をキャッチ。来年1月に全国のバイヤーが一堂に集まって開催されるフードコンベンション(食品展示会)に東スポが特別ブースまで作って参加し、お披露目されるというからビックリだ。
続々と誕生する東スポ商品…。まさか、あのオレンジ色のライバル紙が今年に「小籠包」を販売したことで尻に火が付いたわけではあるまいが、いよいよ本当にナニを本業にしている会社なのかわからなくなってきた。そういえば過去の取材で「東スポ居酒屋」を作る仰天構想も浮上…。「その件についてはノーコメント」とダンマリの平鍋編集局長ではあったが、親しい同僚らには「やるならおじさんの街、新橋で決まりだね。港区の六本木とかではウチのイメージに合わないよ、品川も難しいね」と漏らしており、“その気”にはなっているのだろう。
いずれにしても東スポ、恐るべし…。OBである筆者もつくづく辞めてよかったと思っているが、元気にさせてくれるのもまた事実である。
(まいどなニュース特約・岩崎 正範)