道端に捨てられていた生後2日目の子猫を保護 少しづつ猫らしくなる成長過程に「感動は忘れません」

■道端に捨てられていた子猫たち

むぎちゃん(2歳・オス)は、2020年5月3日、段ボールに入れて道端に捨てられていた。箱の中には4匹の兄弟姉妹が入っていて、まだへその緒がついていて、生後2日目くらいだった。発見した人は警察に連れて行ったが、ちょうどゴールデンウィークで保健所が休みだったので警察官が困って、一時的に預かってくれる動物病院を探した。断るところが多かったが、ある動物病院の院長が預かってくれたそうだ。

神奈川県に住む高野さんは、むぎちゃんを預かってくれた動物病院のスタッフと知り合いで、その人からむぎちゃんたちの話を聞いた。高野さんは、子供の頃から猫を飼っていて、その頃、ペットを飼うことができる住宅に引っ越したので、また猫を飼いたいと思っていたところだった。

「送ってもらったむぎの写真を見て一目惚れしました。警察に問い合わせてもらったら、引き取ってくれる人がいるなら渡して問題ないということだったので、保護された翌日の夜、むぎを引き取りに行きました。」

■赤ちゃん猫のお世話でてんてこまい

高野さんは猫を飼うのはむぎちゃんで3回目で3匹目だったが、赤ちゃん猫は初めてだった。

「こんなにお世話が大変だとは思いませんでした。家族の手も借りつつ、1ヶ月間ほど昼夜を問わず3時間おきにミルクを与え、排泄の世話や体重測定をしました。体重が増えたり減ったりするたびに一喜一憂しました」

最初は猫なのかネズミなのか分からないような生き物が、だんだん猫っぽくなっていく様子には驚いたという。

「初めて自力で歩いたり、離乳食を食べたり、手で顔を洗う仕草をしたりした時の感動は忘れません」

■生きているって素晴らしいと思える

無事に成長したむぎちゃんは、典型的な内弁慶になった。いたずらするのが大好き。猫なのに妙に運動神経が鈍いところも含め、全てが愛おしいという。

「日々の生活の中でストレスや疲労を感じますが、むぎと触れ合うと癒されます。猫を見ていると、生きいているだけで素晴らしいと思うことがよくあるのです」

生活が全てむぎちゃんファーストになったと言う高野さん。ペットを飼うことで幸せになれる人が増えればいいと思っているという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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