誰かのおかげで生活が成り立っている--。普段は忘れがちですが、わたしたちがご飯を食べられるのは、作ってくれる人のおかげ。でこぼこ道ではない舗装された道路を車で走ることができるのは、整備してくれている人のおかげ。街がゴミであふれかえっていないのは、ゴミを回収してくれる人のおかげ。日常の中には、実は感謝すべき“当たり前”のことであふれています。

山田千紘(Chihiro Yamada)（@chi_kun_cq22）さんはある日の早朝、“当たり前”に遭遇、感謝の気持ちをSNSに投稿して、話題になりました。きっかけは、山田さんの方からトイレを掃除していた女性清掃員に声をかけたことでした。

「俺よりも遥かに早い時間に会社に来て一生懸命トイレを綺麗にしてくれてるおばちゃん。『朝何時に来てるの～？』って聞いたら『始発で来てるの』って。こういう人達のおかげでみんなが朝から気持ち良く使えるんだよな。朝から幸せな気分。みんなもトイレは綺麗に使おう」

そして、14.8万件もの「いいね」を獲得したこのツイートには、共感した人からたくさんのリプライが寄せられました。

「おふたりとも、素敵な笑顔。ほんとにありがたいですよね。私は以前おばちゃんに、『あなたも頑張って』と、飴やユンケルをいただきました。また、前職のお年をめしたおばちゃんは、『娘さんが白血病のため、数十年必死で働いてきた』と、おっしゃってました」

「自分の母も始発でお掃除の仕事してたので、大変だなってずっと思ってました。いつもキレイにしてくれてる方々に感謝ですね」

「環境を維持してくださる人がおられるおかげで、快適に生活や仕事が出来ることを忘れてはいけないですね。日々感謝です」

「清掃の仕事をしている者です。そういった心遣いありがとうございます！自分の家のトイレのように使って頂けるとすごく助かります。心温まるツイートありがとうございます」

投稿者さんにお話を聞きました。

ーー初めてトイレでお会いした方でしょうか。

「いえ、以前から時折顔を合わせていました！向こうから話しかけてくれたり、こちらから話しかけたりして、おはようの挨拶を交わしたり、時間が少しあればたわいもない世間話をしたりしていました。この日はたまたま何時に来られているのか聞いてみたのです」

ーー始発と聞いて、改めて感謝されたのですね。

「そうですね。掃除の方以外にも、自分の1日を振り返ってみたときに、例えば会社に出社するにフォーカスすると、通勤で電車が時間通りに動いてることだって運転手さんのおかげだし、コンビニで物を買うにしても店員さんがいる。僕は両足が義足で不自由ですが、駅にも会社にもエレベーターがあって、それを整備する人だっているわけだし、日常の至るところに誰かのおかげが転がってると思います」

ーー山田さんも相当早い時間にご出勤されているのでしょうか。

「僕はフレックス勤務を利用して勤務時間を通常より2時間ほど早くしています。なので6時30分過ぎには会社に着いているので、基本的にオフィスの中では1番最初に出社しています」

ーーかなり早朝のご出勤ですが、いいことがあってよかったですね。

「はい、その日は朝から天気も良く気持ちのいい1日の始まりでしたが、この出来事もあり余計に清々しい気分で1日を過ごすことが出来ました！」

ーー感謝することの大切さに気づいた人も多いと思います。

「日々生活していると自分のことでいっぱいいっぱいになりがちですが、そういう時にも、周りに対して思いやりを持ち、感謝の気持ちを忘れちゃいけないなと思いました。そして、感謝の気持ちは心に留めておくだけでなく、言葉にして伝えることで、お互いに幸せな気分になれるんじゃないかなと思いました」

読者の皆さんも、誰かに感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか！思いがけずいい日になるかもしれません。

（まいどなニュース特約・渡辺 陽）