猛暑日に保護 重症の風邪で極度にやせた子猫 治療を頑張る小さな姿が飼い主さんの心を動かした

■猛暑日にフラフラ歩いていた子猫

はっさくちゃん(生後3カ月半くらい・オス)は、2022年8月、猛暑日にフラフラしながら歩いていたところを、通りかかった人に保護された。その後、個人で保護活動をしているAさんの元に預けられた。栄養失調で骨が浮き出るほど痩せていて、重症の猫風邪をひいて衰弱していた。

愛知県に住むHさんは、一人暮らしを始めてから猫を飼おうと思っていた。保護猫を迎えたいと思い調べている時に、SNSを通じてAさんと出会ったそうだ。会って話す機会があり、HさんはAさんの動物たちに対する愛情の深さを感じた。また、保護された猫たちはいつまでも保護猫なのではなく、里親が迎えた日から家族なのだという考えにも感銘を受けたという。

「猫を飼うなら絶対にこの人から迎えたいと思っていました。保護された猫の話をよくAさんから聞いていたのですが、8月下旬にはっさくが保護され、入院して小さな身体で治療を受ける姿を見ているうちに、この子を家族として迎えようと思うようになりました」

■内弁慶の暴れん坊将軍

Hさんは、はっさくちゃんの調子が良くなり、そろそろ退院できるという頃に、獣医師やAさんと相談してはっさくちゃんを迎えることにした。

退院してから一旦Aさん宅に戻ったはっさくちゃを、Hさんは迎えに行った。生後2カ月くらいになっていた。

「保護されてから目まぐるしく環境が変わったのでとても心配したのですが、初日からゴロゴロと喉を鳴らし、お腹を見せて寝ていたので安心しました」

しばらくするとはっさくちゃんはHさんの手や腕や足を噛むようになった。成長と共に噛む力も強くなってきたが、ネットや本で調べても解決法が見当たらない。Hさんは、はっさくちゃんのペースに合わせてゆっくり向き合っていくことにしたという。

■想像していたよりずっと愛おしい

はっさくちゃんは好奇心旺盛で活発だが、ビビりな一面もある。

「家では私が寝ていても家中を走り回る暴れん坊将軍なのに、動物病院に行くと急におとなしくなるんです。先生や看護師さんに『おりこうさんだね』なんて言われて、外面がいいのかもしれません(笑)」

朝起きると必ずHさんにくっついて寝ているはっさくちゃんが、可愛くて仕方ないと言うHさん。

「お迎えしてから頭の中は四六時中はっさくのことでいっぱいです。想像していたよりずっと愛おしく、本当に我が子のようです」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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