オーナーは人気インフルエンサー 名物の煮込みは年間4万食 話題のお店、東京・焼き鳥どんの人気の秘密に迫る
先日、東京を訪れた時、面白い焼き鳥屋に出会った。
それは荻窪、駒込、西巣鴨に3店舗を展開する「焼き鳥どん」というお店。その時は駒込店に行ったのだが、まだコロナ禍の傷跡が深かった時期で、しかも大雨だったにも関わらずお店は大盛況。
提供される焼き鳥、焼きとんは安価だが備長炭で丁寧に焼き上げられた味、ボリュームともに申し分ない本格派。東京らしく煮込みが名物らしいのだが、これが鶏もも肉を惜しみなくゴロゴロ使った逸品で、口に含めば至福としか言いようのない美味しさだった。年間4万食出るというのもうなずける。
聞けばこの焼き鳥どん、TikTok、YouTubeで「飲食店あるある」を披露し人気急上昇中の日垣兄弟がオーナー。
同行した友人の紹介で挨拶させてもらったが、兄の日垣宏章さんがなんと関西出身で同じ大学だったことがわかり、弟の日垣直也さんも好感の持てる人柄だったのでなんとなく交流がスタートした。
その後、Twitterのタイムラインを眺めていると、宏章さんのアカウントが例の煮込みを通販で購入できるとPRしていたので思わずポチっと。
つくづく美味し過ぎたので、お店のこと、煮込みの美味しさの秘密についてあらためて日垣兄弟のお二人に話を聞いてみたくなった。
ーーお二人とも関西出身ですが、兄弟でお店を始められた経緯をお聞かせください。
日垣兄弟:お互い会社員でしたが組織のやり方に合わずお互い同時期に辞める決意。元々好きだった飲食、焼き鳥屋を始める決意をしました。正直、飲食店くらいだったら出来るという甘い考えで(笑)。なので開店当初は失敗の連続でした。
ーーTikTokを始められた経緯をお聞かせください。
日垣兄弟:コロナで営業が出来なくなりましたが、営業再開できた時により集客できるように宣伝の為にTikTokを始めました。本業は焼き鳥屋なので、手軽に撮れて負担の少ない飲食店あるあるというジャンルにしました。
ーーお二人は今やTikTokのフォロワーが22万人超。YouTubeの登録者数も22万人超という有名インフルエンサーになりました。お店への反響はいかがですか?
日垣兄弟:手前味噌ながら元々ある程度は繁盛させて頂いておりましたが、TikTokでフォロワーさんが増えると更に来店者が増えました。今の時代、飲食店は安くて美味しいが当たり前で差別化が難しい中、SNSで有名な焼鳥屋として差別化出来た事が一番大きな収穫でした。
ーーお店で食べた煮込みが印象的で、思わず通販でも買ってしまいました。煮込みに込められたこだわり、美味しさの秘密についてお聞かせください。
日垣兄弟:開業当初、目玉商品として考案しました。我々大阪出身なので、どて焼きの鶏バージョンを作ろうと試行錯誤した結果、全くの別物ができて、これはこれで美味しいからメニューにしようとなったのが始まりです。通常煮込みはモツですが、鶏もも肉を使用した事も意外性があってお客様の印象に残りました。美味しさの秘密は火加減にあります。しっかりと煮込みながら、もも肉を柔らかい状態に仕上げていく際、火加減がかなり重要になります。
ーーこれまでの煮込み通販の反響についてご感想をお聞かせください。
日垣兄弟:TikTokやYouTube、インスタのフォロワーが増えた為、特に広告宣伝費をかけずとも、通販の販売数が伸びています。通販は1セット4食入りなのですが、月に500セットほど注文が入ります。つまり月に2000食出ております。広告宣伝せずに個人店でこの数字は手前味噌ながら驚いております。
◇ ◇
他にない味と個性で日々、注目の度合いを高めている焼き鳥どん。お近くの方や東京に用事で行かれる方にはぜひ訪れていただきたい名店だ。遠方でなかなか……という方も、ぜひ通販で極上の煮込みの味に触れていただきたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)