犬派で、猫には恐怖すら感じていたけれど…譲渡会でキジトラ姉妹に出会い「生まれてずっと一緒、離せない」2匹とも我が子に

■捨て猫の姉妹と後脚が片方ない弟猫

かんなちゃん(2歳3ヶ月・メス)とみことちゃん(2歳3ヶ月・メス)は姉妹。2020年9月頃、捨てられていたところを保護されて警察に連れてこられたが、個人のボランティアが引き取った。

保護された時、姉妹の他にもう1匹男の子がいて、その子は後脚が片方途中から切断されていた。獣医師にも生まれつきなのか事故か何かで脚を失ったのか分からなかったが、何不自由なく過ごしていたそうだ。その男の子は、譲渡会で人懐っこさを発揮し、最初に里親が決まったという。

■夫、突然「保護猫を迎える!」と宣言

埼玉県に住む岡田さんは犬派だった。猫には少し恐怖感も感じていた。夫の実家に猫が4匹いたのだが、なかなか触らせてくれず、そばを通るだけでシャーっと言われた。

「でも、1匹だけとても人懐っこく、子どもたちの相手もしてくれる優しい猫がいました。その猫のおかげで恐怖心がなくなり、とても猫が好きになりました」

夫は軽い猫アレルギーがあったが猫が好きで、いずれは猫を買いたいとずっと思っていたという。

2020年10月17日、夫妻は保護猫カフェさくらのオンライン譲渡会に参加してみた。

「夫の実家にいた猫の中にキジトラ猫がいたのですが、一番怖い猫だったけど一番可愛くて、なんとなくキジトラ猫がいいなと思っていました。すると、かんなたち3匹が紹介されて一目惚れしました。でも、当時夫はまだ迎える気はなく、『可愛いね』で終わっていました」

しかし、3ヶ月後の1月30日、夫が突然「保護猫を迎える!」と宣言した。岡田さんは驚きながらもかんなちゃんたちがまだ残っているのか確認し、かんなちゃんとみことちゃんはまだ残っていたので、かんなちゃんの里親になりたいと伝えたという。

■2匹一緒に迎えてもいいの?

当時、岡田さんはあまり猫に詳しくなく、1匹しか譲渡してもらえないと思っていたので、かんなちゃんだけ迎えるつもりだった。ただ、みことちゃんだけが残ってしまうことも気がかりだった。

「かんなを迎える準備をしていた時に、保護主さんから『もう1匹一緒に迎えてもらえないか』と相談されたのです。生まれてからずっと一緒にいる姉妹。離れ離れになるとストレスで体調を崩してしまうこともあると聞きました。私たちは、『えっ?2匹一緒に迎えてもいいの?』と驚きましたが、すぐにみことも迎えたいと返事をしました」

2月2日、突然のことだったので、夫妻は慌ててホームセンターで必要なものを買い揃えた。保護主に「いつ頃2匹に会えますか」と尋ねると、「ケージの組み立てができたら、今夜にでも伺います」と言われ、一刻も早く会いたいと思い、2月だったが汗だくで組み立てた。

「その日は節分、夕食に家族で恵方巻きを食べたのですが、みんなそわそわしていて、正直味は覚えていません(笑)」

■私が産んだのでは?

夕食をバタバタと済ませ、今か今かと待っていると保護主から到着したと連絡が!驚かせてはいけないと、家族全員ひそひそ声で話しながらリビングへ。キャリーを開けると2匹が恐る恐る出てきた。

「あまりにも可愛らしくて、動画も写真も撮るのを忘れ、感動のあまり私は涙が溢れました。その後、すぐに私の膝に乗ってくれたり、手にじゃれてくれたりしました。夫や子どもたちが抱っこしても大人しくしていました」

その晩、一家は初めて「猫の運動会」を経験。仲良く走り回っている姿を見て、2匹一緒に迎えて本当に良かったと思ったという。

かんなちゃんは和室の一角を自分のテリトリーにしていて、そこで撫でられるのが好き。わざわざ家族をそこまで誘導する。みことちゃんはお父さんにブラッシングしてもらうのが大好きで、いつも「たまらん!」という顔でリラックスしている。

「時々、『かんなとみことは私が産んだのでは?』と錯覚するほどの我が子です。一日中、全て2匹を優先に考えて行動しています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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