民家に迷い込んだ猫家族の子猫兄妹を家族に 「早く帰って2匹に会いたい」と思う癒やしの毎日

■迷い猫、4匹の子猫を出産

Tomくん(1歳半・オス)、Jerryちゃん(1歳半・メス)は、福島県のとある民家に迷い込んできた野良猫が産んだ子猫だった。

そこに住んでいた人が母猫と子猫を保護して、母猫と子猫1匹を家族として迎えた。1匹の子猫はすぐに里親が決まったが、残る2匹は飼うことができず、知人に相談したという。その2匹がTomくんとJerryちゃんだった。たまたま相談を受けた知人は、ペットホテルとシッターをしているSさんのお客様だったので、Sさんに相談した結果、Sさんのところで里親を探すことになったという。Sさんは代理という形で、譲渡サイトに募集記事を掲載した。

Sさんは兄妹別々ではなく、一緒にもらってくれる人を探した。

「いつも一緒に遊んだり、寝ていたりして、とても仲が良かったので離れ離れにはできないと思いました。よく食べて遊び、よく寝て順調に育っていました」

コロコロしていて可愛い2匹には、たくさんの里親希望者が現れたが、なかなかSさんがこれと思う人が現れなかった。

■兄妹一緒に貰ってくれる人を希望

新潟県に住むTさんは、自身も夫も実家で犬と猫を飼っていて、動物が好きだった。家を建てた時に、いつかうちでもペットを飼おうと相談していたそうだ。2021年6月半ば、Tさんは、譲渡サイトを閲覧している時に、TomくんとJerryちゃんを見つけた。おっとりしていてあまり動じない性格だと書いてあった。

「隣県で募集していましたが、とても仲が良いと書いてあり、日中留守にするので2匹なら寂しくないかなと思いました」

Sさんが希望していた条件とTさんはピッタリで、前向きに話が進んだ。6月末、夫妻はSさんのペットホテルまで2匹を迎えに行った。

「Tomは怯えてケージの隅っこにいました。Jerryは抱っこさせてくれました。思っていたよりも小さかったのですが、一生懸命ごはんを食べている姿を見て、この子たちを幸せにしてあげたいと思いました」

Tさんは少し長距離の移動だったので心配した。2匹は最初は車の中で鳴いていたが、中間地点くらいまで来たら、2匹ピッタリ身を寄せ合ってじっとしていた。家に着くと、ごはんをモリモリ食べて、用意したベッドでくっついて寝ていたという。

■こんなに可愛い猫っている?

Tomくんは去勢後食欲が増し、太り気味になってきたので食事の量を減らした。すると、ゴミや人間の食べ物を漁るようになったので、シンク用の蓋や蓋付きのゴミ箱を設置して対策。解決したそうだ。Jerryちゃんは、ホテルにいた当時からシラミがついていたり、時々アゴニキビができたりしたが、こまめに見たり触ったりして早期に治療しているという。

Tさんは2匹を迎えてすっかり猫中心の生活になった。

「仕事に行っても出かけていても早く帰って2匹に会いたいと思う毎日です。子猫時代はもちろん可愛かったですが、『成猫になってもこんなに可愛い猫っている?』と思って、日々愛が止まりません」

Tom君は人見知りでビビリの甘えん坊で、ぽっちゃりしている。Jerryちゃんは人懐っこく、仕草が上品。スラリとしたモデル体型だ。

「兄妹だけどまったく性格が違う2匹の行動に毎日楽しませてもらっています。うちに来てくれて有難うと思います」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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