兄弟とともに捨てられた子猫 里親に引き取られ3年 帰宅を熱烈歓迎する甘えん坊に
■兄弟と一緒に捨てられていた子猫
もんちゃん(3歳7ヶ月・オス)は、2019年4月初旬、岡山県のとある店の前に兄弟猫たちと一緒に捨てられていた。まだ生まれて間もない子猫だった。
子猫たちを保護した人がミルクを飲ませて育て、ジモティーで里親を募集した。
兵庫県に住む山口さんは、幼い頃から犬や猫が好きで、子供の頃は犬を飼っていた。大人になってから実家の猫が17歳で亡くなり、寂しさを感じたため、また猫を飼いたいと思うようになったという。
「ペットショップで買うのではなく、飼うなら里親を探している子にしようと思いました」
■ミルクを飲んでくれない
2019年4月中旬、ジモティーでもんちゃんを見つけた山口さん。すぐに応募して、4月28日家族として迎えた。生後3週間くらいだった。
家に来た初日、もんちゃんは兄弟猫たちと離れ離れになって不安だったようで、ミーミーと鳴いていた。体重はまだ400gしかなく、ミルクも飲まず不安になったという。
「温かい毛布を敷いたベッドを用意していたのですが、1匹で寝るのはどうにも不安だったようで、寝かそうと思ってベッドに連れて行っても、ヨチヨチ歩いて山口さんの膝の上で寝ていました」
可愛いのだが、山口さんは不安だらけだった。相変わらずミルクを飲まず、排泄もまだ自分ではできず、血便も出てしまった。とにかくミルクを飲ませようと思ったので、山口さんはいろんなミルクを試してみたり、ちゅ~るを薄めて与えてみたり試行錯誤した。
■一生守ってあげたい
迎えた当初は困ったが、山口さんは子猫の成長の早さにびっくりしたという。
「数日経つと、ウエットフードを食べるようになり、排泄も自分でできるようになりました。少し大きくなると、今度は噛み癖がひどくて大変でした」
もんちゃんは家族の手や足に飛びかかってきて噛み付いた。山口さんの手はいつも傷だらけで、再び悩むことになった。夜寝ている時も噛まれないように手にはミトンを着け、夏でも足元に毛布をかけて寝た。
「この頃が一番辛かったのですが、大人になるにつれ自然と噛み癖も治まってきました」
もんちゃんはとにかくやんちゃで甘えん坊のかまってちゃん。山口さんが仕事から帰ると熱烈歓迎してくれる。お尻ぽんぽんされるのも好きで、1日に何度もねだってくる。毎日のかくれんぼと追いかけっこも欠かせない。
「もんちゃんは毎日笑顔にしてくれます。ただいてくれるだけで幸せです。何があってもこの子を一生守ってあげたいと思っています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)