絆創膏をした毛ガニが「チョットシタケガニ」平成中期のオロナインH軟膏の広告に脚光「オヤジギャグ」「レトロなのに新しい」

オロナインH軟膏が約20年前に出稿した広告がSNS上で大きな注目を集めている。

件の広告とは頭に怪我をした毛ガニとオロナインH軟膏のイラストに「チョットシタケガニ オロナインH軟膏」というキャッチコピーが添えられたもの。

オロナインと言えば往年の女優、浪花千栄子さんをイメージキャラクターにした看板をはじめ印象的な広告が多いイメージだが、こんなにウイットに富んだものもあるとは驚きだ。この広告を紹介したインターネット専門古書店「古書森羅」(@kosyosinra)の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「オヤジギャグできたか、オロナインというと浪花千栄子さんていうイメージが定着してるから、一瞬何のCMか分からなかった^_^」

「毛ガニさん、ちょっとした怪我どころかボイル済みの鮮やかな赤色してて草」

「レトロな雰囲気なのに一周回って新しい広告ですね 笑」

など数々の好意的な声が寄せられている。

■「オロナインの思い出話も」

古書森羅の担当者に話を聞いた。

ーーこの広告が掲載されていたのはどのような書籍でしょうか?

古書森羅:アウトドア雑誌「BE-PAL」(小学館)の2002年発行の回です

ーーこのキャッチコピーの意図に気付いた際のご感想をお聞かせください。

古書森羅:「カニ…?ケガニ…?毛蟹!!」みたいな感じでした。仕事中なのに声を出して笑いました。

ーーこれまでの反響へのご感想をお聞かせください。

古書森羅:ダジャレ好きな方が多くて嬉しいです。あと、みなさんのオロナインの思い出話もたくさん読めて楽しかったです。

■レトロポップな新しさを表現

オロナインH軟膏を製造する株式会社大塚製薬工場の担当者にも話を聞いた。

ーー今回の投稿に対し、好意的な反響が多数寄せられています。

大塚製薬:公開から時間が経っている広告でしたので、驚いたと同時に、多くの方の目に留めていただきとても嬉しく思っております。広告だけでなく、オロナインを家族で使用した記憶も一緒に思い出してくださる方が多く、温かい気持ちになりました。

ーーこの広告が制作された経緯や意図はおわかりになるでしょうか?

大塚製薬:2001年~2002年に使用していた広告です。オロナインといえば、浪花千栄子さんのホーロー看板を思い出す方が多く、その看板の持つレトロポップな新しさを「毛ガニ」と「けがにオロナイン」という言葉選びを通して表現しました。オロナインの効能効果である「キズ」を「ちょっとしたケガ」(=「すりきず・きりきず」)としてわかりやすく表現しています。

ーー製品公式サイトを拝見すると、これまでいかに御社が広告に力を入れてきたか創意工夫のあとがうかがえました。 

大塚製薬:現在は、「育てる手と手に」というテレビCMを放映しています。特に育児や家事など、手仕事を多くする方がたに、ひび、あかぎれ、キズができたらオロナインに頼ってほしいというメッセージを込めています。

オロナインと関わりの深い「お母さん」や「育児」の考え方について、時代の変化は見過ごせない一方で、オロナインがみなさんの手仕事に寄り添い続けたいという思いは、今も昔も変わりません。「オロナインは使ったことがあるけど、そういえば最近使っていないな」という方にも、また使っていただけるきっかけとなれば嬉しいです。

◇ ◇

広告とはある時は端的に、ある時はイメージが膨らむように出稿者の思いを伝えるもの。何気なく見過ごしている広告も、その背景にどのような経緯があったのか調べると面白いものだ。

オロナインH軟膏 コンセプト

「子育てって、手がかかる。

でも、食べこぼしを片付けるとき、おもらしを拭くとき、

寝たかなと思ってベッドにそーっと置いたとたん泣き出して エンドレス抱っこに逆戻りするとき。

一人の手だとイライラしてしまうのに、 二人だと笑い話になるから不思議です。

ありがとう、ごめんね、大丈夫? そう言い合えるだけで手はがんばれる。

もし、その手にあかぎれやキズができたときは、 オロナインにもお手伝いさせてください。

育てる手と手に。

オロナインH軟膏

ひび、あかぎれ、キズに」

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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