ペーパレス時代に古新聞、炭酸水限定のペットボトル…「明日までに用意してと言われても!」学校から無茶振りされた“持ってくるもの”

子どもが就学すると、育児に1つの節目を感じる人も多いのではないでしょうか。送迎がなくなるだけでも、育児の負担は軽くなりますよね。しかし、小学生になると書類や持ち物など学校関係の準備という新たな仕事が増えるのは、意外と知られていない事実です。「え!こんなものが必要なの?しかも明日まで!?」と、慌てて用意しなければならないことも。

とくに2学期は学校行事が多かったこともあり、イレギュラーな持ち物が増えて、“調達”に苦しんだ人も多かったのではないでしょうか。学校からの無茶振りに翻弄された保護者から寄せられたエピソードを紹介します。

■無茶振り1:伝統工芸品などと言われても

まずはSさん(大阪府在住、30代、パート)の経験談。先日、子どもから伝統工芸品を持ってくるように言われました。

「え?伝統工芸品?と久々聞いた単語に驚きました。伝統工芸品なんてうちにはないし、仮にあったとしても、大切なものなので学校に持って行かせたくないですよね(笑)」

仕方なく先生に確認するように子どもに伝えました。すると、焼き物などの地域の特色が出るようなもので良いとのこと。「伝統工芸品の意味が広すぎる」と思いつつ、祖母に昔お土産でもらったこけしを子どもに持たせました。

■無茶振り2:炭酸水指定のペットボトル

「明日までに炭酸水が入ったペットボトル持ってきてってだって」と、帰宅した子どもに言われたAさん(神奈川県在住、40代、主婦)。「え?炭酸水じゃないといけないの?」と、思わず聞き返してしまいました。

Aさんの家族は炭酸水が好きではないのでめったに飲みません。「先生が炭酸水って言ってた」と答える子ども。どうも理科の実験に使うのだとか。「普通のじゃダメなの?」とAさんは食い下がりましたが、子どもは「先生が炭酸水って言ってた」の一点張り。

結局Aさんは「なんで炭酸水指定なのか…」と嘆きながら、夜コンビニに炭酸水を買いに走りました。コンビニは自転車で10分ほどの距離にあり、その日は雨だったので大変だったそうです。

「もっと早くわかっていれば、買い物のついでに用意したのに」と、愚痴をこぼしていました。

■無茶振り3:ペーパーレス時代に古新聞

「古新聞を用意してください」というのも、学校からの「持ってこいあるある」です。図画工作や習字など、学校の授業で古新聞が活躍する場面は多く、度々要求されます。

しかし、紙の新聞を定期購読している世帯は年々減少傾向。日本新聞協会の新聞の発行部数と世帯数の推移のデータによると、1世帯当たりの部数は2000年1.13だったのに対し、2021年には0.57と、半減しているのです。

Bさん(神奈川県在住、30代、パート)も新聞を取っていません。そのため、わざわざ交通費をかけて実家まで行き古新聞を貰ってくるのだとか。私の家も新聞はとっておらず、Bさんの話には共感しかありません。

■無茶振り4:プッチンできるプリンのカップ

Cさん(栃木県在住、40代、自営業)が学校の無茶振りで苦労したのは、プッチンできるタイプのプリンのカップです。「なぜプッチンなの…」と思わず嘆くと、「水の流れを調べる実験で使うんだって」と子どもが教えてくれました。

もちろん家にはないので買いにいくことに。近くのコンビニで事を済ませたかったのですが、プッチンタイプのプリンが見つかりません。結局、Cさんは市街のスーパーまで探しに行く羽目になりました。

プッチンタイプのプリンはメジャーですが、住んでいるエリアによっては大型スーパーまで行く必要があり、保護者の負担になることもあるようです。「やっと見つけたときは、思わずガッツポーズしちゃったわよ」と、Cさんは言っていました。

■無茶振り5:詳細なしでお菓子の箱

学校からの指示が大雑把すぎて困るのも、よく聞く話です。

Dさん(神奈川県在住、40代、会社員)の子どもが持ち帰った学校のプリントに「図工の授業で使用するので、お菓子の箱を用意してください」との記載が。しかし、お菓子の箱でどのような制作物を作るのか、サイズや数はどれくらい必要かの情報がありません。「先生に聞いてきて」と子どもに言いましたが、めんどくさがって聞いてくれませんでした。

結局、家に置いてあったありったけのお菓子を開けて箱を持たせたDさん。その日帰宅した子どもは「持ってこない友達もいて、分けてあげたら喜ばれたよ」とのこと。「うちがお菓子大好きな家でよかった。感謝してほしいくらいだわ」と、Dさんは笑い話にしていました。

■なぜ子どもは前日に突然言い出すのか問題

学校からの無茶振りに、慌てて必要なものを買いに走る保護者は少なくありません。しかし、子どもの話をよく聞くと、実は学校側は前々から準備するものを子どもに伝えていたというのはよくある話のようです。

子どもは「後で言えばいいや」と思ってそのまま忘れるパターン。先生が念のため前日にもう一度アナウンスしてくれ、子どもが「明日これ必要」と突然言い出し、保護者がギャーッとなる…。ここまでがセットなのかもしれません。育児って、本当にいろいろな経験をさせてくれますね。

(まいどなニュース特約・ワタナベ コウメ)

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