「諦めたくない」末期の腎不全、19歳老猫をお世話する一家の思い 給餌のためにエリザベスカラーが必須

「娘はヤマモトさんに甘く、時々エリカラを外してあげます。ただ、そのまま爆睡するので私はヒヤヒヤです…いつもヤマモトさんを見守っていただきありがとうございます。おやすみなさい」とツイートしたのは、ヤマモトさん(@Yamamoto_1112_)。そこには、娘さんと一緒にスヤスヤ眠る猫の画像が添えられていました。

■耳は聴こえず、末期の腎不全、19歳老猫

猫の名前はヤマモトさん。19歳の老猫です。もう耳も聴こえず、末期の腎不全だというヤマモトさん。残された日々を生きるヤマモトさんを優しく見守る投稿者のツイートに

「ヤマモトさんが安心して眠っている姿にキュンとしました」

「お顔隠して寝る姿キュンですね。可愛いすぎます」

「ヤマモトさんがリラックスして気持ちよさそうに寝てますね。笑顔になります。娘様もそんなヤマモトさんを見たくてエリカラを外すのかな」

など、ヤマモトさんを応援するリプライがたくさん寄せられました。

投稿主にお話を聞きました。

ーーヤマモトさんは保護猫ですか。

「そうです。小学生だった娘が、自宅近くの田んぼでピーピー泣いている赤ちゃん猫を保護しました。まだ目は青く生後2~3週間くらいでした。その当時、先代猫を飼い始めたばかり。去勢手術もしたばかりで、当初は一時保護のつもりでした。なので、名前は仮名ヤマモトさんになったのです」

ーーでも、ご自身で飼われたのですね。

「19年前はワンちゃんが大人気でなかなか譲渡先が見つからず。すぐに情もうつってしまい、正式にうちの子になりました」

ーーヤマモトさんはお嬢さんに懐いているのですか。

「ヤマモトさんと先代猫の折り合いが悪く、娘がヤマモトさんのお世話担当でした。なので、いい意味でとても過保護です。目の届く場所にいる時は、エリカラを外して思う存分に毛繕いをさせてあげたり、好きな場所や今落ち着いている場所で点滴をしたりします。人間の方はアクロバティックなひどい格好ですよ(笑)冬になってからは、寒がりなヤマモトさんが快適に過ごせるような部屋作りをしたり、とにかくヤマモトさんファーストです」

■「エリカラは必須です」

ーーエリザベスカラー(エリカラ)は嫌がりますか。

「ほとんどの猫ちゃんはエリカラが嫌いなのではないでしょうか。ヤマモトさんは腎不全末期のため、あまり食べられず現在は鼻カテーテルから給餌しています。エリカラが無いとカテーテルを抜いてしまうのです。免疫力が低下しているため風邪をこじらせて、目は一時的に結膜炎になっています。患部を触らないためにもエリカラは必須です」

ーーいつもお嬢さんと寝るのですか。

「小さな時からだいたい娘と寝ていますが、息子と寝る時もあります。妹分のベアちゃんが来てからは、私と寝ることは少なくなりました。ヤマモトさんはまだ目もよく見えていない時に保護したため、とても人間が好きです。人間のようにお布団に入って、いつも誰かにくっついて寝ています」

ーーヤマモトさんは具合が悪いのですか。

「今年の11月1日から急激に腎臓の数値が悪くなり、3日間入院しました。集中治療の結果、全く数値に変化がなく、自宅で毎日の点滴やカテーテル給餌、投薬をすることに決めました。退院後は立つこともままならない、何も食べない状態で、11月12日の誕生日は迎えることは難しいだろうという状態からここまで復活しました」

ーーそれは良かったですね!

「先代猫も腎不全と糖尿病を患い亡くしたものですから、いろいろ後悔があります。ヤマモトさんはまだ足腰は丈夫で、トイレも出来るしジャンプも出来るんですよ。行きたい場所でくつろいでいる間は、まだ諦めたくない気持ちが強いです」

ーー元気な姿を見ると一日でも長く生きていてほしいと思いますよね。

「ですが、先日、エリカラとカテーテルを抜いてしまい、獣医さんと相談して3日間だけエリカラもカテーテルも無い生活をさせてみました。妹猫ベアちゃんはそれまでエリカラ姿のヤマモトさんを怖がっていたのですが、闘病前のように寄り添い毛繕いをし合っていて、その様子を見て悩んでしまいました」

ーーヤマモトさんはエリカラやカテーテルから解放されてどんな感じでしたか。

「ヤマモトさん自身も、やはりカテーテルがない方がイキイキと動き回り、表情も明るかった気がします。でも、口から食べてくれる量は非常に少量でカテーテル給餌が無ければ、みるみる痩せ体力もなくなります。長くは生きられない」

ーー今はエリカラとカテーテルを付けているのですか。

「はい。再度カテーテル生活になった今、娘の部屋からほとんど動かず、トイレに行くくらいになってしまいました。ヤマモトさんにとってどちらが幸せか。葛藤しています。結膜炎が治ったら…緩和ケアという言い方であっているのか分かりませんが、自然な姿で生活させてあげたい。そんな気持ちも強くなってきています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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