「シャンメリー」ってそういう意味だったの!? 年末年始の顔に意外な「過去」、大企業は作れないってホント?
先日、モデルでタレントの「みちょぱ」こと池田美優さんが自身のインスタグラムを更新し、クリスマスイブは夫婦そろって自宅で過ごし、手作り料理とシャンメリーを楽しんだことを明かしました。「我々お酒飲めないので一丁前にグラス置いてましたがマスカット味のシャンメリーです笑」(インスタストーリーズより引用)。
シャンメリーとは、ノンアルコールの炭酸飲料のこと。子どもやアルコールが飲めない人向けの乾杯用ドリンクとして、昭和40年代から全国に広がりました。ところでシャンメリーってどんな意味? 名前の由来を調べると、驚くような秘密が隠されていました。
■最初は「ソフトシャンパン」だったが…
1896年(明治29)年創業の「トンボ飲料」(本社、富山県富山市)。同社がシャンメリーの製造、販売を開始したのは1965(昭和40)年のこと。翌年、同社3代目社長が「ホームパーティーにふさわしいのでは」とひらめき、大手スーパーマーケットに提案したところ、見事に採用。クリスマスの家庭向けドリンクとして全国に広がりました。
当初は「ソフトシャンパン」の名称が使われていましたが、思わぬところから使用禁止を求められました。
「フランス政府よりシャンパンの名称の使用禁止を求める動きが起こりました。そのため替わる名称として、1972(昭和47)年にシャンパンの『シャン』とメリークリスマスの『メリー』を合わせて『シャンメリー』が考え出されました」(同社ホームページより)
現在ではクリスマスだけでなく、さまざまなシーンで乾杯飲料として定着。「誕生日パーティーや七五三、各種行事、お祝い事などに使用されております」(同社担当者)
■「ポン」の音&刻印…シャンメリーの証
シャンメリーには2つの定義がありました。
(1)発音栓(開けたときにポン、と音がする)であること
(2)定型の「Chanmery」という刻印のある瓶に入った炭酸飲料であること
1977(昭和52)年には、ラムネやびん詰コーヒー飲料などとともに中小企業特有の品種として宣言した中小企業分野製品の一つとして法律に定められました。大企業では生産しておらず、シャンメリー協同組合に加盟する全国の地元中小企業により製造されています。
(まいどなニュース・金井 かおる)