飼育放棄された犬は重度の心臓病、保護された団体で人気者に 大好きなランチタイム後、スヤスヤと眠るように…

保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」の実現を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)。同団体では、数多くのワンコの保護を行なっていますが、中には重度の障害や持病を抱えていたり、シニア犬であることなどから、譲渡が難しいワンコもいます。

こういったワンコは、同団体で施設の一員となってもらい、多くのワンコと一緒にスタッフのお世話や、多くの支援のもとで生活をおくっています。

元飼い主からの所有権放棄によって動物愛護センターに引き取られ、ピースワンコの仲間になったオウジもそのうちの一頭でした。

年齢15歳ほどにも関わらず、元気で人懐っこく「遊ぼう! 遊ぼう!」とピョンピョン飛び跳ねるオウジは、その「受け口」のルックスと合わせてスタッフ、獣医さん、訪問者の方にも大人気で、いつしか同団体の看板的な保護犬として知られていました。

■「これ以上は無理」の大量投薬と腹水を抜く処置 

オウジの「遊ぼう」アピールは、「できれば外に連れていってほしい」ことのようでした。というのもオウジはとにかく日向ぼっこをしながら動き回るのが大好き。そして、ランチタイムやおやつタイムも大好きで、とにかく明るく元気なワンコでした。

ただし、そのとびっきりの明るさ、元気さの反面、保護当時から重度の心臓病を抱えていました。獣医師さんに診てもらい、「これ以上増やすことはできない」と言われるほどの大量の投薬治療を行い、腹水貯留のために2週間に1回は、腹水を2リットルほど抜くという処置を行なわなければなりませんでした。

こういった過酷とも思える処置を前に、オウジは、ときに寂しそうな表情を浮かべることもありました。もしかしたら、その処置の厳しさから、ある日突然会えなくなってしまった飼い主のことを思い出していたのかもしれません。

しかし、それでもオウジは治療を続け、ここピースワンコで生活をし続けました。スタッフは「多くの方の支援と応援がなければ絶対にできないこと。本当に感謝しています」と言います。

■最期まで元気な姿を見せ、スヤスヤと旅立った

ある日のこと。いつものようにピョンピョン飛び跳ね、スタッフに元気な姿を見せ、大好きなランチタイムを過ごしたオウジ。この後、午後の時間帯にスタッフが犬舎を確認しに行くと、オウジはまるで眠ったかのようにスヤスヤと静かに旅立っていました。

享年16歳。元の飼い主から所有権放棄され、重度の心臓病もあり、さらにはシニア犬であるにも関わらず、いつも明るくスタッフや関係者に元気と喜びを与えてくれたオウジ。きっと天国でも、いつものようにみんなにかわいがってもらい、そしてオウジもまたみんなを明るく楽しい気持ちにしてくれていることでしょう。

このオウジのように飼い主に捨てられてしまったワンコや持病と闘うワンコも、新たな犬生を幸せに暮らすことができるよう、 ピースワンコは今後も多くの支援者・応援者の方々と活動を続けていくとのこと。同団体の最新情報にもどうかご注目ください。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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