年末に中学生たちが助けた命は、無事に新年を迎えることができました 保護猫の安否報告が本当に伝えたかったことは
和歌山県のある中学校の校内で、弱っている若い雌猫が雨に打たれていました。部活を終えた数人の学生が保護して、保護団体「城下町にゃんこの会 和歌山」(@nyankonokai1)に連れてきました。しかし、どの団体も「弱っている、かわいそう」というだけでは引き取ることはできません。引き取れば、たちまち食費や医療費が発生しますし、何より里親を見つけなければならなくなるのです。
今回は、たまたまこの団体から猫を譲渡してもらった家庭の学生がいたので、猫を家に連れて帰ることができました。
「城下町にゃんこの会 和歌山」さんは、「昨年末中学生たちが助けた命は、無事に新年を迎えることができました」とツイッターで報告。
投稿のツリーには、学生が預かりボランティアをすることになった経緯も書かれていました。
「年末、次男が学校の校庭で衰弱した黒猫ちゃんを保護。『助けたい』だけでは助けられないこと。覚悟と責任が問われることをボランティアさんからしっかり話してもらい、一晩考えた結果、次男の責任でうちでしばらく様子を見ることになりました」
「城下町にゃんこの会 和歌山」さんに詳しいお話を聞きました。
ーーこの猫はどういう猫だったのですか。
「学内にすみ着いていた野良猫だと思います。サクラ耳にカットされていましたが、誰もお世話はしていないようです」
ーー何歳ですか。
「推定2~3歳です」
ーー栄養失調で衰弱しているのでしょうか。
「足を怪我して立ち上がれなくなり、どんどん衰弱していったようです。食べられない期間が長かったと考えられます。それにより肝臓が悪くなったようです」
ーー里親は募集していますか。
「体調が悪くてワクチン接種がまだできていないので、接種して体調が安定してから募集します」
ーーどんな人に譲渡したいと思いますか。
「完全室内飼いで、一生一緒のおうちでかわいがってくださる人を希望します」
この報告には「にゃんこの救済をまことに有難うございました。神様のお恵みが必ずあります」「小さな命を救って下さって有難うございました」といったリプライが寄せられました。
猫を保護しても保護団体に丸投げできるわけではないので、よく考えてから保護しなければなりません。この雌猫の場合、預かりボランティアさんが見つかりましたが、「救えない命」もあるのです。
「こうした事態を減らすには、安易に猫を捨てない、外で生まれる猫を増やさないことに尽きる」と、「城下町にゃんこの会 和歌山」さんは話しています。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)