交通事故で母猫を亡くした姉妹2匹 かわいさに癒やされる日々「多頭飼いは良かったと思うと同時にリスクも」
■野良の子猫姉妹
こはるちゃんとこみちちゃん(生後8ヶ月・メス)は、赤ちゃん猫の時に保護された。母猫は野良猫で、交通事故で亡くなったという。保護主が知り合いの人と協力し、人馴れさせて譲渡会に出した。
兵庫県に住むTさんは実家で猫を飼っていたので、もう一度猫と暮らせたら楽しいだろうなと思い、近隣で譲渡会が開催されてないか検索した。そして7月、譲渡会に参加した時に、こはるちゃんとこみちちゃんに出会ったという。
「最初は1匹だけにするつもりでしたが、こはるとこみちの可愛さに一目惚れしてしまい、一緒に引き取ることにしました」
■病気のことで頭がいっぱい
保護主に2匹を家に連れてきてもらうと、ハンモックの上で家族の様子をじっと観察していた。こはるちゃんは早くに家族に馴染んでくれた。肩やお腹、背中の上に乗ってくる。ただ、ビビりなところもあり、来客があると驚いて身を隠す。こみちちゃんは人見知りが激しく、家族のことも避けた。Tさんは「ずっと仲良くなれないかもしれない」と心配した。しかし、いったん慣れると甘えん坊になり、撫でてもらうためにべったりくっついてくるようになった。人の姿が見えなくなると、不安になるのかニャーニャーと鳴く。家族以外の人は相変わらず苦手で、来客があるとものすごい勢いで逃げていく。
そのままうまく行くと思ったが、こみちちゃんがFIPにかかっていることが分かり、10月から国内未承認薬を飲み始めた。Tさんは多頭飼いにして良かったと思うこともあるが、重圧も感じている。
「多頭飼いは2匹で遊んでくれるし、可愛い姿を2倍見ることができます。でも、感染症にも同時に感染するリスクもあります。そうなると当然診察費用も2倍に。可愛いけれど、コストがかかるので悩んでいます」
こみちちゃんは家族にだけ心を開いてくれたので、その健気な姿に愛らしさを感じているというTさん。「今は病気のことで頭がいっぱいです」と心配する。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)