幼子3人を抱え新幹線で子連れ旅、子どもを置いてトイレに行きたいけどちょっと不安 JR九州に聞いた
ワンオペ育児の大変さを物語るエピソードがSNS上で大きな注目を集めている。
「新幹線にて。トイレに向かうと、3人の幼い子供を連れたお母さんが何やら困っている様子。お母さん自身がトイレに行きたいけど子供を置いていけないし全員連れていけない…という状況
『あの…少しの時間なら僕見ますよ』と伝えると『ありがとうございます!』とお母さんはすぐにトイレへ
声をかけたのは良いものの、自分と子供たちだけの状態。【誰この人?】と、下の子はいつグズってもおかしくない。何か会話しなくちゃ…と焦る自分『き、今日は何しにいくの?』と尋ねると「おばあちゃんに会いにいく!」と元気よく返事。
『楽しみだね!』軽く会話してると、お母さんが戻ってきた
『本当にありがとうございます!』
『いえいえ!おばあちゃんと会えるの楽しみにしてるって話をしました(笑)』
『3人ともおばあちゃん大好きなんですよ!』
と、会話を終えた。」
ワンオペの子連れ旅行はトイレすら行くのに一苦労という現実があり、周囲の協力も必須という九州新幹線でのエピソードを紹介したのはつっきーさん(@psypsytuki)。
3人の幼子を連れ、新幹線の中でトイレに行くことさえままならなかったお母さん。今回は機転で事なきを得たが、ワンオペで育児に臨む人たちがみなこのような状況に置かれていると思うとなんとも悩ましい。JR九州の担当者に話を聞いた。
ーー今回のエピソードのようにワンオペ育児で困った際、スタッフの方に助けを求めることはできるのでしょうか?
担当者:当社に限らずですが、交通事業者では「声かけ・サポート運動」を行なっておりまして、安全かつ安心して駅や車内等の施設をご利用いただくために、お困りになっているお客さまへ社員より積極的にお声かけをしております。またご利用のお客さまにも、お困りの方に対して助け合いのお声かけへのご協力を呼びかけております。駅や列車内におけるポスターの掲出や駅・列車内における放送案内の強化を行ないながら、より多くのお客さまに運動について認知いただけるよう努めている所です。
ーー気軽に声をかけていいんですね。
今回のエピソードの場合で言うと、新幹線車掌が定期的に車内の巡回をしておりますので、当社社員がお客さまにお声かけをさせて頂いたり、逆にお気軽にお客さまからお声をかけて頂いても問題ございません。
ーー複数人が利用できる多目的トイレのような設備は新幹線に配備されているのでしょうか?
担当者:九州新幹線ではN700系もしくは800系でございます。N700系の場合は7号車に多機能トイレがあり、通常より広く複数人でもご利用できるものとなっております。また、800系の場合は指定席であれば5号車に多目的トイレを設けております。駅窓口できっぷをお買い求めの場合は指定席の空き状況を見ながらになりますが、トイレの近くのお席をご予約させて頂くことも可能でございます。
子供連れで新幹線を利用される方はぜひ参考にしていただきたい。子育て中のお父さん、お母さんを社会全体で応援しようという温かい思いやりの心が世間に満ちて欲しいものだ。
■投稿者に聞いた
ーーお母さんの異変に気付かれた経緯をお聞かせください。
つっきー:ごみ捨てに向かった帰りになんだか慌てているお母さんを発見しました。子供に対して何かを言い聞かせているのですが、父親らしき人物が見当たらないことと、トイレの前という状況で「トイレに行きたいけど、子供を置いていけない」というのを察知して声をかけさせて頂きました
ーーお母さんが無事トイレから戻った際のご感想をお聞かせください。
つっきー:ちょうど駅に着くギリギリの時間でした。相手も出る準備が必要みたいで結構慌ててました。僕も妻を待たせていたのでお互いにパッと会話をしてその場を離れてます。
ーー熊本駅での光景をご覧になったご感想をお聞かせください。
つっきー:ただただ「おばあちゃんと会えてよかった!」というのが素直な感想です。同時におばあちゃんも入場券をわざわざ購入していることから、いち早く会いたかったんだろうなと感じました。この時、一声かけようか迷いましたが再会の喜びを邪魔してはいけないと思いましたし、僕たちも急いでいたので何も言わずにその場を離れました。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
つっきー:「ワンオペは大変」とよく言われますが、それは家庭内での家事育児に焦点を当てられているように感じます。実はちょっとした外出で、トイレという生理現象ですら対応するのが大変な事実を目の当たりにし、こういうことは他にもまだまだあるんだろうなと改めてワンオペの大変さを理解できました。「わかる!」という共感の声をたくさんいただいた一方、「大人用のおむつをはいている」「外出前は水分は極力取らないようにしている」など、えっと思わせるようなリプを拝見してます。僕の行動が賞賛ではなく、当たり前となれるような世の中になれば子育てがしやすいようになるなと感じてます。
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つっきーさんは毎朝「考えるキッカケ」になるツイートを投稿中です。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)